買い物でよく通るルートに新しい床屋が出現した。
日本散髪屋。
日本人がやってる?!
そう期待しながら入ってみた。けっこう伸びてむさ苦しくなっていたのでな。
だが迎えてくれたのは日本人ではなく、二十代なかばくらいに見えるラオス人の兄ちゃんだった。
いや待てよ、今は日本人マスターが休憩中で、助手がクロスを着せているところへのっそり現れて「いらっしゃい」てな具合に。
とも思ったのだが、やっぱり兄ちゃんが切る様子。
「ベリーショート」くらいしか英語が通じず、ちょっと不安になったが、もとより拙者にうるさい好みがあるわけでなし、兄ちゃんが日本仕込みの腕をふるってくれればなんとかなると期待したわけだが、現実はそう甘くなかった。
なんつーか手つきがすごくたどたどしい。
じょき、、、じょき、、、じょ、、、、き。
このスピードは、1年に1回か2回散髪してくれる妻と変わらない。
しかも、サイドはずいぶん熱心に刈りこんだのに対して、トップはほんのちょっと切っただけで出来上がりだという。
東京で切ったときの写真を最初に見せたんだけど、ひと目見てバランスがぜんぜん違う。どこで流行ってるヘアスタイルんだろ。とにかくトップをもうちょっと短くしてだな・・・と説明を始めたんだが、兄ちゃんはなんだか困った顔をしている。いったい何がわからないんだろう。
そのとき、背後で雑誌を読んでいた次のお客さんが口をはさんできた。流暢な英語をあやつり、わたしの要望をラオス語で兄ちゃんに伝えてくれた。
これは有難い。ついでにこれだけは聞いておこうと質問を発してみた。
「日本散髪屋」っていう店名だけど、日本で修行してきたの?
ラオス語に変換された質問に兄ちゃんは少し照れながら応えた。
いや日本には行ったことないっす。日本だといえばスタイリッシュな床屋と思ってもらえるかなと・・・
というのが日本散髪屋の正体でありました。
拙者はどうなったのかって?
なんつーか伝統的な東南アジア風というか。おもてたんとちゃうけど、ぎりぎりセーフかなみたいな。なにしろ料金4万キープ(1ドル80セント)だから贅沢言わなーい。
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