Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

フォーション・ホテル・パリで残念だったこと

パリでは紅茶やクッキーで知られるフォションが運営する Fauchon L'Hôtel Paris に滞在した。ほんとは3泊したかったけど、1泊目の土曜日がバカ高くて他のホテルにせざるを得ず、フォションは2泊となったことを最初に告白しておく。

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部屋のグレードは下から二番目というチンケな客だったにもかかわらず、レセプションでの歓待ぶりは手厚かった。

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パリ饅頭マカロン4ヶ。

さっさと部屋へ行きたいが慌ててマカロンをむさぼるのはカッコ悪いので、ゆっくり急いで口に押し込む。残さなかったのはビンボーだからじゃなく、食べ物はぜったい残すなとばっちゃに言われたから(わたしが生まれたのはじっちゃもばっちゃも死に絶えた後だったけど)。

ちなみにこのホテルのフロントには楽しい会話で客をもてなすというポリスィーがあるようで、「へえダンナは日本人か、おまえらどこで出会ったんだ?」みたいなことをズケズケ聞いてきて、閉鎖気質のわたしはちょっと鬱陶しかった。会って2分のおまえになんでそんなこと話さなきゃいかんのかと。

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それではアバンギャルドな廊下を通って、お部屋へご案内。

なかなかよかったで。

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ベッドはキングサイズながら、その周囲を余裕で歩けるスペースあり。

そして窓からの景色。

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パリ滞在なう!な気分がぶんぶん音をたてて高まる。よね、ペニーさん?

なお窓はこれひとつではなく、クロゼットルーム的な隣室にさらにふたつの窓があり、伸び伸びとした気分で過ごすことができた。

この21世紀版アールデコみたいなのは・・・

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ミニバーでありまして、茶道具や冷蔵庫のほか、クラッカーなどにつけるマスカルポーネ(チーズ)やバターナッツの瓶、フォションのクッキーを無料で楽しむことができる。

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ちなみにクッキーは合わせて3種類(箱)あり、毎日あたらしいのを補充してくれてたっけ。紅茶の葉も。無料といったってその料金は払ってるわけだが。

備えつけのオーディオは高性能だった。

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iPhone とワンタッチで無線接続して鳴らしてみたら、実にしっかりした音を奏でてくれた。さすがは坊主BOSE。

ところでこのホテル、コロナ以前には日本人がけっこう来ていたらしく、そういうニーズに応えたものか、細かいところで頑張っていた。

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洗面所のコップ、これでウィスキーをロックでやりますか?みたいなステータス感はちょっと過剰?

ヘアドライヤーは巷(ちまた)で評判のよいダイソン。

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確かに静かで強力だけど、髪がぱさつかないという利点ではパナソニックのナノケアが優っているとかここで肩もってどないすんねん。

ちょっと笑ってしまったのは、部屋にもウエルカムスイーツが置いてあって、またマカロン(さすがに2個だったけど)。

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ティーカップはなかなかよかった。素焼きふうの表面に細く切られた溝の、しっとりとした手触り。たいへん薄く作られたせくすぃーな器です。

部屋はとにかく居心地がよかった。

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わたしなんぞ、妻が観光のリサーチしているあいだソファで居眠りしてしまった。

ペニーもな。

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早春の西日を浴びながらまったりしていると、あたふたと観光に走り回らずとも、この部屋で味わう「パリ風味」だけでもシアワセーな気分になってくるわけで。

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それでは1階へ下りまして、辛口コメントを交えながら朝食会場をご紹介。

大きな窓から惜しみなく光が降り注ぐ気持ちのよいレストラン。

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ところでここでは、ロシア語を話す客とヘブライ語を話す客がけっこう目立っていた。前者のみなさんは今いろいろ大変じゃないかと思うんだけど、パリでこの程度の贅沢なんてちょろいもんなのかね。

使用される食器はすべて客室のティーカップと同じラインのもので、この揃いっぷりが五つ星のステイタス感か。

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冷たいものは冷やした皿に、温かいものは熱した皿に盛られていた。

ただし食事の提供の仕方については問題を感じた。

ここでは簡素なコンチネンタル・ブレックファストと、リッチなイングリッシュ・ブレックファストが用意されており、朝食つきプランで宿泊したわたしたちは自動的に後者になるのだが、その具体的な内容がわからないのだ。

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メニューも渡されず、ウエイターから詳しい説明もなく、ただ「卵料理はどうしますか?」と聞かれるだけ。

てことはそれしかないのかと思うところだが、試しに「サラダをください」「フルーツください」「チーズも少々」とか頼んでみると、当たり前のように出てくる。

周囲の慣れた感じの客に目をやると、けっこういろんなものを作ってもらっている様子。メニューの全容をちゃんと示さない「渋さ」が五つ星のプライドなのか、現場のサービスレベルが低いからなのか。いずれにしても引っかかりの残る朝食になった。

ついでなので、上記以外に引っかかった点を列挙しておく。

 

■「細かいお金なんてお客さぁん」

高級ホテルは、スタッフが部屋まで同行して使用説明したり、荷物を運び上げたりと、人がつきまとってくるぶんチップを渡す機会が多い。朝食もビュッフェじゃないからチップが必要な雰囲気。小銭の持ち合わせが乏しかったのでフロントに両替を頼んだところ、くるりと目を回すような表情で「10ユーロ以下は用意しておりません」だと。うちは両替屋じゃねえんだからというプライドはわかるけど、お宅の従業員に漏れなくチップを渡したいから頼んでるんだけどね。あっちこっちの商店でキャッシュつかいまくって細かくしてくるのが客のつとめ?五つ星は人づかいが荒いなあ・・・

 

■入らない日本のテレビ

コロナ以前には日本人に力を入れていたというフォション・ホテル・パリでは、以前は JSTV が観られたようだが、現在はチャンネルを合わせても映らない。経費節約のためキャンセルして客には知らせずにいるのか、それとも単なる故障か。

 

■どこへ行っちゃったの?特別サービス

予約サイトで部屋をブッキングする際、少しでも条件のいい部屋にしてもらえるよう結婚20周年記念のパリ旅行であることを伝えてあった。チェックイン時、そのことでフロントスタッフが盛り上がり、「ご滞在中に特別サービスでお祝いをさせていただきます!」といってはいたが、結局なにも起きなかった。特別サービスとかめんどくさいから何もしてくれなくていいんだけどね、彼らの賑々しい公約が守られなかったことは確かで。フォション・ホテル・パリの楽しい会話で客をもてなすサービスとは、単に調子よくしゃべりまくりだけのものなのか。

 

以上、五つ星だったら、という厳しめの観点から見ると、このホテルについてはマネージメントの甘さをいくつか指摘せざるをえず、それが本当の一流になりきれていない理由のひとつかなという気がした。つくりは悪くないのだから、頑張ってほしいなあ。

チェックアウトを終えた正午すぎ、ホテルの建物の一画にあるフォションの店で驚きの体験をした。

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「たったいま山ほど入荷した商品を整理しなきゃならんから、一時間後に来て」と、イヌでも追い払うような対応。

フランスの商店には昔から「売ってやる」という気風があることは知っているけれど、これはなかなか。

悔しいけど欲しいものがあったので、よそで買い物したあと戻ってきました😅

ホテルに荷物を預けてあったから無駄な労働にはならなかったんだけどねー。

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