バイデン米大統領が「(プーチンを)権力の座に残しておいてはいけない」と発言した件、他国の体制転換を語るのはアウトという至極もっともな声が多く上がっている。
昔から失言の多かったバイデンが勝負所の局面でやっちゃったね ┐(´д`)┌ヤレヤレ という話。
だけどさ、世界のひとびとはさ、ウクライナ侵略に腹を立てるのと同時に、ロシアの暴挙はプーチンが消えないかぎり終わらないと考えているんじゃないのかね。
政権を負われるか、そうでなければ殺されでもしないかぎりプーチンの暴走は終わらないだろうと。
だとすればバイデンの発言は多くのひとたちの気持ちをストレートに代弁しており、これこそが現在の世論といっていいのではないか。
繰り返すが、一国のリーダーが口にしていいことと悪いことがあり、バイデンのは完全な失言。だけど、それを糾弾する正論が声高に叫ばれるほど得をするのはプーチンという状況があることは忘れちゃいかんよね。
ワイドショーのコメンテーターから国際政治の研究者にいたるまで口をそろえて正論かましまくってるなかでコッソリ思ってみたのであーる。
もうひとりヤッちゃったひとがいるよね、ウィル・スミス。
アカデミー賞授賞式で自分の妻を侮辱されたウィル兄ぃは、下司なコメディアンが許せなくなり、ステージに駆け上がって平手打ちをかましちゃった。
はいはいはい暴力はいかんです。手を出したもんの負けです。兄ぃ、アウト!
だけど俺だったら同じことするだろな。
病気で髪が抜けたひとを笑いものにするなんて、ましてや侮辱されたのが自分の妻だなんて、絶対に許せない。
ウィル兄ぃほど立場のある人間だからこそ平手打ち一発で済ませたのだと思うが、自分だったら容赦なくボコボコにするだろう。
妻は「暴力はやめて!」と泣きながら止めにくるだろう。くだらない人間のために犯罪者になるなんて最低!と叱られるにちがいない。だけどな、言われっぱなしで妻のカタキも打てないようなやつに配偶者たる資格はないという心情は捨てられないのだよ。
だから兄ぃの気持ちはよくわかる。
そんなわけで世間の正論とはズレた価値観をもつ自分、こういうやつはやっぱり危険人物なのだろうか。
危険人物ついでにバイデン発言について蛇足しちゃうと、「権力の座に残しておいてはいけない」というのはなにもアメリカが特殊部隊でも送り込んでぶっ殺すとかいってるわけじゃなく(そんなつもりがあったらオクビにも出さない)、ロシア国民はそろそろ目覚めよという響きを感じるんだよね。
平たくいえば「てめーらで始末つけろや」と言っている。
他国の国民に体制転換をそそのかす発言であることに変わりはないけれど、実際のところ今後のロシアをまともな国家に変えられるかどうかはすべて国民の意志にかかっているわけで。
そもそもプーチンは国家のリーダーでもなんでもない、ただの戦争犯罪人。権力の座に残しておいてはいけないという指摘は、世間一般の価値観でいえば当然のことだと思うんだけど。
はい、明らかに正論じゃないっすね。感覚おかしいっすね。
【追記】ウィルの暴力を認めるんだったらプーチンの暴力も認めることになるゾという反論はよくありそうだが、現実問題として規模も残酷さも桁違いな現象をひとくくりにして語るのは幼稚な議論だと思う。
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