Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

ネトフリが韓国を選ぶ理由

わたしと妻は最近、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」というネットフリックスのドラマにはまっている。超人的な記憶力を武器にソウル大学(日本でいえば東大)法学部を首席で卒業し、自閉スペクトラム症(ASD)というハンデとたたかいながら仕事に打ち込む主人公。

文房具の完璧な整列っぷりがいかにもASD

微笑ましい恋のエピソードを交えてとても魅力的なドラマに仕上がっている(詳細は解説記事をどうぞ)理由は、ハンデのあるひとの居場所をどうつくるのかという課題のほか、

・受験地獄

・21世紀になっても本貫に振り回されるひとびと

・女性の地位

・過剰な開発

といった社会問題がストーリーにしっかり織り込まれているからだろう。最近のネットフリックスで韓国映画・ドラマやたらに強い理由はこれかもしれない。大ヒット作品「パラサイト 半地下の家族」のモチーフとなった社会の不公平への怒りをはじめ、いろんな怒りを画面に噴出させているのが今の韓国人ではないか。

外国人の目には「ウ・ヨンウ」のようなソフトなイメージの作品であっても、うわっ韓国人これは気の毒だわ~と思わされる旧弊が随所に顔を出し、とくに若者にとって生きづらい社会であることが感じられる。アメリカへの移民が引きも切らない理由が理解できるるとともに、映画やドラマづくりを通して韓国に変化をもたらそうとするひとたちの頑張りを痛感してしまうのである。

いま韓国は、旧弊を脱して近代化する最終段階にさしかかっており、そこで噴射すべき巨大なロケットエンジンが、すぐれたドラマや映画となって生み出されてきているんじゃないか。

へへえ、日本はずっと早く近代化したよ~という方もおられるかもしれないが、戦前の日本の不自由さ息苦しさの多くは、敗戦によるGHQ支配のおかげで強制的に解消されたことを忘れてはいけない。同じことを韓国人は、誰から強制されるわけでもなく、自らの手で行おうとしている。だから苦労が大きい。

そういうわけで、怒りレベルがめちゃ高い韓国人の作品がネトフリを席巻する理由が勝手にわかっちゃったところで、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」の残りエピソードが3本になってしまったことに軽く焦りつつ、第2シーズンの可能性濃厚との報道に軽くときめくわが家なのである。

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