一日のうちに天国とジゴクを味わった。
ペニーの室内トイレ訓練は、立ち上がりの失敗に教訓を得ながらゆるゆると進行するなか、新兵器が導入された。それは監視カメラ。
ペニーが浴室で用を足すときは、必ずその場にいて「シート外おもらし」の後始末や足拭きをしているが、ひとつ悩みがあった。彼女はおしっこが出るまで何度も浴室へ行ったり来たりを繰り返すのだが、そのたび後をつけていては１号２号は仕事にならない。
それだったら監視カメラを置いておけば・・・とわたしが言い出したところで、妻がハタと膝を打った。ブリュッセルにいたとき貯まったポイントで手に入れた監視カメラがあるという。Wi-fi を介してスマホに鮮明な映像を送ってくる賢いヤツ。
こうしてモニターしていれば、いちいち着いていく必要はなく、ペニーさんの作業開始を確認してから浴室に急げばいい。
これ完璧じゃね？！
とホクホクしながらモニター開始した１５分後、悲劇は起きた。浴室に１０回ほども通って作業開始のそぶりを見せながら、どうしても仕事にかかれなかったペニーさん、プイッと居間に向かう。妻が感づき慌てて後を追ったのだが・・・
すでにカーペットには特大の染みができていた。
大急ぎで客用浴室（ふだんペニーの足を洗っている）に持ち込み、高圧洗浄機で徹底的に洗うが、洗剤の泡がなかなか切れなくて時間がかかり、そのあいだ及び腰で支えていた洗浄機の重さに背中が耐えかねてぐぎっ。久しぶりにやっちまった。中程度のぎっくりだからそこそこの身動きはできるが、当分いい子にしてなくちゃ。
ところでペニーが居間でやってしまった理由は、何かの理由で浴室がトイレとは思えなくなってしまったからだろう。ペニーさんにはじっくり膝詰めで事情をうかがいたいところだが、トイレはとりあえず別のどこかに移す方向で考えている。
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