2年前、ハマスとイスラエルの間でドンパチが始まった直後、パレスチナ人を「ユダヤの土地」から完全に追い出すネタニヤフの野望について書いた。
「ガザは摺り潰されるようにして消滅するかもしれない」と書いた。
2年後の現在、それが現実のものになろうとしている。ガザは本格的な爆撃を受け、すでに人の住める場所ではなく、多くのパレスチナ人が死んだりどこかへ去ったりしている。
パレスチナの地は4千年前に神から授かったユダヤ教徒のものであり、異教徒には住む権利がないと主張するイスラエル政府。だからパレスチナ人を追い出しても殺してもいいという考え方は、イスラエル以外の地域では狂信者の思い込みとされている。
人類のうちでユダヤ人ほど迫害の恐ろしさを知っている民族はないはずだが、他者への憐みがこれほど欠如しているのはいったいどういうわけか。
ここへきて世界の多くの国々が「パレスチナ国家」を承認しようとも、近いうちに国家としての実態が消滅することは避けがたい。
平和国家を自認する日本は、この問題にどう対応していくのか。
本音をいえば、日本が謳歌してきた「平和」は、アメリカの保護によってもたらされた無風状態にすぎず、我々が主体的に汗をかいて維持してきたものではない。だから日本人は「平和」を舐めており、他者の平和についても差し迫った気持ちになったり行動を起こしたりすることが難しいのではないか(一部の活動家は別として)。
これから先、日本のリーダーが誰になるにせよ、パレスチナ問題においては人間として筋の通った態度を打ち出してもらいたい。
あえて損得の話をすれば、「人権を重視しない日本」という評価が広まれば、日本に何かあったとき誰も助けてくれない・・・というリスクだって考えておかなくちゃね。
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。