ブレマーハーフェンでクルマを受け取った日、ペニーはドイツにおける棒投げ遊び事始めを体験した。
格安スーパーの駐車場は閑散とした時間帯で、妻の買い物を待つあいだを楽しく過ごしてもらった。
「ペニーさん、ドイツデビューだねえ」と言ってから気づいたのだが、この子はドイツ娘なのだ。
DNA鑑定の結果、ペニーは以下の血を受け継いでいることがわかっている。
ミニピン 43.8%
チワワ 20.5
ペキニーズ 9.7
ダックス 7.9 (以下いろいろ)
ミニチュアピンシャーとダックスフントはドイツ原産。
サウスカロライナで野良犬をしていたころのペニーさんは、こんなかたちでドイツに里帰りするなんて考えてもみなかっただろう。
ドイツの血は妻のからだにも流れている。
アメリカ側の祖父はアイリッシュ/スコティッシュ系で、ご先祖は17世紀にアメリカへ移民。
一方、祖母はドイツ系で、19世紀に移民してきた。
ドイツのどこから来たのか、いろいろ調べるうち、ほぼ確定できるようになってきた。
わたしたちがブレマーハーフェンからの帰路に一泊した農園リゾートのある村ハーゲンの隣村あたりだったらしい。
ドイツ北西部のこの地帯からは、19世紀の初頭、住民の37%が国外へ移民していった。
人口の1/3が移民とは穏やかでない。もともとオランダへの出稼ぎが盛んで、つまり農業では食えない地域だったのに違いない。
1845年、新天地での暮らしに胸ふくらませアメリカに上陸した妻の先祖クラウス・シュミット(仮名)は、とあるツテをたよってテキサスまで行き、そこで開拓農民となった。
それ以降のクラウスとその子孫のストーリーはこれまでの妻のリサーチによって概要が見えつつあるが、ドイツを離れる以前の家族史についてはまだ白紙。
シュミット家のふるさとがほぼ判明し、しかもベルギーにほど近い地域だというのだから、これはご先祖が妻を呼んでいるのかもしれない。
今後、機会をつくって父祖の地に足をはこび、たとえば教会に残された出生・洗礼記録のような資料を足掛かりに調査できたらいいと思う。
探せば必ず親戚はいるはずで、そういうのを想像するだけでわくわくしてくる。
だけどペニーさんの親戚はちょっと見つけられないと思うの。
ごめんね。
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。