アメリカはいろいろ豪快だ。
ラオス生まれの男性で、子供のころタイへ移住し、16歳でアメリカに渡ったチェン・セファンさんは、オレゴン州に暮らしている。
最近、セファンさんの身に大きな変化があった。
2000億円の宝くじが当たったのだ。
ん? 2000円じゃないよ。
2億円でもないよ。
2000億円だよ。
見たことある?そんな大金。
2児の父であるセファンさんは、買ってきた宝くじを枕の下に置いて当せん祈願をしてきたというが、それには大きな理由があった。8年越しで続いてきたガンの治療費をなんとかして工面したかったのだ。やっぱり神様はいるのだろうか。
2000億円(13億ドル)といっても、そのすべてがもらえるわけはない。年金のように小分けにするのだったら満額いけるが、即金で受け取る場合はずっと減額され、今回は税引き後640億円(4億2200万どる)。セファンさんはくじを共同購入した友人とこれを分け合ったので、実際には300億円あまりだったかもしれない。どう使ったらいいか想像つかん額だけど。
ちなみにセファンさんが射止めた額面13億ドルというのは、ラオスの国家予算のおよそ1/3に相当する。そういうふうに比較できるという時点で何かがバグっている感じがする。
このエピソードにそっと付け加える要素があるとすれば、セファンさんがラオス山岳地帯の少数民族の出身であることだ。ラオスでは多くの少数民族が60~70年代、共産化を嫌ってアメリカ軍に加担したことから、アメリカが引き揚げたあと、ラオス政府からさんざんな抑圧を受けてきた。おそらくセファンさんも、そうした流れのなかでラオスから脱出したのだろう。苦労の多い人生に差し込んだ一筋の光明。個人的には健康体さえあれば文句はいわないけれど。
(セファンさんが記者会見に出てきたのはお金持ち自慢をしたかったからではなく、多くの州では宝くじを匿名では受け取れない仕組みになっているからだろう)
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