クルマを引き取りにドイツの港へやってきた。ブレマーハーフェンというところで、ブリュッセルから電車を乗り継いで7時間。
乗り換え駅のケルンでは、駅前近くにわずかな草地を見つけてペニーの用事。大聖堂は外からお参り。
今日はブレマーハーフェンへの移動で終わってしまい、明日ようやくクルマとご対面となるわけだが、ここまで細かいトラブルがグダグダと続き、いったいいつ手に入るんやらわからん状態が続くなか、もーいらんわそんなクルマ・・・と何度か思った。
申込金の100ドルさえ捨てればいつでもキャンセルできるわけだし、そもそも絶対に新車とか思ってるわけじゃなく、よい中古があったらそれで構わないからだ。
そんなとき、各国駐在員のあいだで交わされる「売ります」情報に、一台のポルシェが出現した。
「カイエン」というSUVで、日本での新車価格が最低でも1100万円する高級車。
中古であっても一生乗ることのないこんなクルマが3万5000ドル(385万円)で手に入る、しかも走行距離わずか5万1000キロ、数字だけ見ればけっこうなお買い得なうえ、「新品のようなコンディション」と自信に満ちたコメントを目にしたらグラッと来ますよね?
あたしゃ来ましたよ。
わずか2秒たらずの間だったが「てへっ、俺ポルシェ乗り😋」な妄想にひたり、すぐに正気にかえった。
なんでかってーとこの車体、2016年製なんだけど、今どきの新車には当たり前のようについている安全装置(自動ブレーキやブラインドスポット警告などなど)がまったくついていない。
ここ5年の時の流れはすごく早かった。
いずれにしてもわたしは、自動ブレーキもついていないクルマをわざわざ所有しようとは思わないし、ましてやそれが怪力ポルシェということになれば、思わずアクセルを踏み込んでしまう衝動を抑えられるかどうかわからない。
よって超お得(?)ポルシェの幻影は一瞬にして消え去り、おとなしく新車の到着を待つことにしたのである。
もちろんわたしがお金持ちで目の前に安全装置満載のポルシェがあったら「オッケー、一台くれ」と言うかもしれない。
いいじゃん死ぬまでに一回くらい。
というわけでお休みなさい。
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。