Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

持てなくても持ちすぎても

日本滞在の最後を過ごした東京の住宅地で目にした風景。

木造アパートの駐車場に鎮座するのは、新車であれば2台合わせて3000円万円近く、中古でも1000~1500万円するドイツ製高級車。

これらのクルマがアパート住民のものだとすれば、このギャップこそが日本ということになるだろうか。スペースに恵まれず、億単位の出費をしなければ満足な家には住めないから、せめてクルマだけでもという。

アメリカのそこそこ高級な住宅街へ行くと、広々とした前庭と背後に森をひかえた堂々たる邸宅が並ぶなか、そこに停められているクルマは実質本位の日本車が普通だったりする。シアワセはBMWの運転席ではなく家で満喫するものなのだなあウラヤマシ。

ひとの暮らしを大きく左右する土地のパワーを、この住宅街でまざまざと見せつけられた。下の写真、ずらりと奥まで並んでいる住宅群は、去年までは一軒のお屋敷だった。

もっと正確にいうと、屋敷と広大な日本庭園がまるまる姿を消し、そこに9軒の分譲住宅が建った。地主はもともと農家で、このあたりに広大な畑や雑木林を持っていたが、戦後になって土地の切り売りが始まり、最後の当主には子がなく、その病没とともに家名は断絶した。

実は最後の当主は晩年に養子を迎えており、そのひとが不動産のすべてを相続したらしいのだが、当主が亡くなるやいなや更地になり、あっという間に分譲されるという展開に、周囲にはいろんなウワサが流れた。実はこの「養子」さんは正式には養子になっていなかったという怪談ばなしのような情報まで流通するようになり、周辺住民のひそひそ話が止まらないという。

持たざるのも切ない人生だが、持ちすぎて欲望の沼に沈む(上記の件を指しているわけではない)ってのも切ない生き方だよねえ。でも一度くらいは持ってみてもいいねえ。

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