元旦を海岸で、続いて要塞の街ダンメで過ごしたあと、クリスマス以来のブルージュへ。
地図によく表れているように、ブルージュもまた外敵から身を守るため周囲に堀をめぐらせた島状になっている。
今回は、島の外側に宿をとった。贅沢なホテルに泊まろうにも予約サイトのポイントは底をついており、身の丈に合ったところにするほかない。
Radisson Blu Hotel はブルージュ駅に隣接したビジネスホテルと考えればよく、街の中心部まで20分たらずという利便性は悪くない。
室内はシンプルで、可もなし不可もなし。椅子がひとつしかなくて不便なので追加を頼んだら、フロントのちっちゃい女性スタッフがえんらや運んできてくれた。広さに少し余裕のある部屋だし、椅子2個は当たり前だと思うんだが。
上の写真の奥に見えるのが浴室で、そっちから部屋にカメラを向けるとこうなる。
風呂から窓外が見えるというのだが、向かいはマンションだぜ。
ホテルを地味にしたぶん街を楽しもう!ってんで歩き出す。
観光とは無縁ながら味わいのある街区を通っていくと、すぐに代表的なブルージュの風景に遭遇。
初日は遅くに着いたので、すぐに夕食になった。
おおっ、食前にいきなりビールっすか!なこのシーンで鋭敏なる読者はお気づきかと思うが、ビール博物館の日本語解説の最上段に「ブルージュトリプル」とあったやつを飲んでいる。
Bruge Tripel はホップの使用料がごく少なく、わたしたちが一番気に入った銘柄。ホップなくして何がビールかと眉を吊り上げる方もおられようが、苦味の少ないやつを飲むことはわたしたちの基本的人権に含まれている。
ベルギー&フランドル料理のレストランで、だいたいどれも美味しかったな。
それにしてもこっちのひとたちのコロッケ好きよ。
経営者がインド系(と思われる)だからかもしれないが、味付けは全体に濃い。
ドイツでしばしば出くわす過激な濃さではないが、60過ぎたらもちょっと控えようねみたいな(笑)
コース料理を二人前、違う内容で頼んだので、前菜とメインで写真が4枚。
La Dentelliere というこのレストランは、ベギン会修道院のすぐ近く、観光馬車の起点という絶好のロケーション。客足を呼び込みやすくビジネス楽勝なぶん、料理は少し甘いかもしれない。
レビューサイトでの評価は「そこそこ」で、マイナス要素を見ていくと、フランス語でのコミュニケーションがスムーズでなかったとご立腹の客が多く、やっぱりあっちのひとたちちょっとめんどくさいかなあ。
日が落ちてから出てきたアップルパイはつくりが本格的で、かなりよかった。
初日の夕食をばっちしコースでキメた(たしか@26ユーロで、ぜんぜん高くない)あと、12月いらい続いているライトアップを見ながら帰る。
柳っぽい木に不気味系の光。ひゅーどろどろって日本人の耳には聞こえてくる。
ホテルの朝食は、シンプルながら豪快だった。
サーモンのスライスが巨大で、ほんのひときれ取ったつもりが大皿をべったり覆うほどのサイズ。
こんなもん食ってたらえらいことになりまっせーと、サーモンを二等分してわけあうアジア系。
そして2日目のブルージュへ!
住宅街を進行中、売り物件のサインを見つけたので、窓なかチェーック!
奥行き2メートルほどの狭い部屋と階段しか見えず、間取りのイメージがさっぱり湧かない。
しかたがないのでイケメンなドアノックを記念撮影。
街の中心部に入ってきたら、発掘工事をやっていた。
隣に建っている教会に関連した遺跡だというから、初期の小さな施設が埋まっているのかもしれない。1000年前から発展が始まった街だから、掘れば掘っただけいろんなものが出てくるのだろう。
ところでわたしども、このたびブルージュにワッフル店を出すことになりまして・・・
つまらねえ冗談を言ってるうちに腹が減り(旅行中のわたしたちは朝食たっぷり → 昼食スキップまたはごく軽く済ませて夕食を待つことが多い)、マルクト広場へ打って出る。
おや、またトリプル?
どうやらトリプルという名前は、ビール醸造で知られるトラピスト修道院の製法の流れをくむものにつけられるものらしく、そのこととの関連は不明ながら、トリプルカーメリートというこのビールもホップの使用料が少ないという。
ムール貝はわが家の近所のレストランのものに優るものなし!と常々いいながら、たまに注文してしまう。せっかくのベルギー住みだもんね。
ここではコースにはしなかったが、質・量・お値段ともにそこそこのディナーとなり、後のことは後で考える精神で2日目のブルージュを乗り切る。
帰路の電飾が美しい。
わたし個人は一切動ずることがないが、買い物ごころを刺激する素敵な店が多い。
屋根飾りの右半分はAさんちのもので、左はBさんという塗り分けが面白い。
妻が引っかかったというか引っかかりに行ったのはチョコレート屋で、前回とは別店舗のここで買い物。
ノンシュガーチョコの出来がとてもよかったので、お土産をふくめて買い込んでいた様子。
そのあとで満腹ほろ酔い気分のふたりが遭遇したのは、路上のスポットライト。
あれじゃん!と思い当たったのは、Mr. ビーンが地球に降り立つ?シーン。
あのやばいキャラは宇宙人なればこそ?
わたしたちの羽目はずしっぷり in ブルージュにふさわしい舞台照明だったような気がする。
帰路につく前、野菜など日常の買い物をするためブルージュ郊外のスーパーに入ったところ、レジ前の酒売り場で思い切り足が止まった。
高級シャンパンがえらく安く見える。細かいことよくわからんけど。
うちでも飲める甘いやつないかねえ・・・
と探してみたら、右側の Laurent-Perrier ローランペリエが甘口(DEMI-SEC)だったので速攻ゲット。
旅以外には金使わねえといっていたわたしたち、こんなもんに手ぇ出してていいのか。
と思っていたら、妙に勢いのついた妻が「これも!」といってサントリーの「六」というジンを手に取る。
値段は日本でのそれと同等だったが、「応援を込めて」という妻のひとことで籠に放り込む。
帰宅後にオチがついた。
ブルージュのスーパーで売られていた「生食用牡蠣」を帰宅後に食したところ、たいへん美味しくはあったのだが、妻が少々アタった。症状はそれほどでもなかったが、峠が夜中になったことから睡眠不足におちいり、在宅ワークがしんどそうだった。
暴飲暴食のバチが当たった?
いやそんなこたない。雑菌をからだに入れることで免疫力アップする2022年、もう何がきても怖くねえ。
などと意味不明な供述を繰り返しており。
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