クリスマスマーケットって、思てたんと違ごてびっくりした。
オミクロンの嵐が吹き荒れ、ドイツ全土でクリスマスマーケットが次々と中止されるなか、いくつかはかろうじて生き残った2021年。わたしたちはまずケルンから攻めた。
ブースター完了者ですらどんどん感染中のオミクロンを警戒する気持ちはもちろんあったが、完全に避けようと思ったら自宅に立てこもるほかなく、出かけるのであればブリュッセルでもケルンでもたいした違いねえじゃんと肚をくくって。
土曜の晩にたどり着いたのは、ケルン大聖堂のおひざ元に開かれたクリスマスマーケット。
入場するなり凄まじい混雑に圧倒される。80年代に一度だけ入ったデスコチック(赤坂MUGEN)のことを思い出す。人混みが嫌いで、あれ以来ディスコには足を踏み入れなかった俺、ここでなにしてんだろ。
クリスマス飾りを売る店がつらなる。
もともとキリスト教にはクリスマス飾りという概念はなく、ただ静かにお祈りするだけだったのが、途中から変わってきたらしいね。北欧に住んでいた古代ゲルマン民族(ドイツ人の先祖)が「ユール」という冬至の祭に使った樫の木がクリスマスツリーの起源だという。
地球上のすべての宗教がそうであるように、キリスト教も各地の土俗宗教や習慣を取り入れながら広まってきたわけで、クリスマスを楽しんでいるわたしたちはゲルマン民族に感謝せえということか。
こうして並べられた商品は、基本的には地元産だろう。いまどき安価な品物で中国製でないのってこういうやつくらい?
「お家」シリーズは、アルザスのワイン街道で一個追加したので、ここでは様子見にとどめた。
・・・と、ここで大聖堂の鐘が鳴りはじめ、マーケットの雰囲気いっそう盛り上がる。
この投稿をInstagramで見る
ところで東洋の田舎出身のわたしには、クリスマスマーケット=クリスマス用品市という思い込みがあったのだが、それはあっさり打ち砕かれた。
いろいろ売っている。
ドイツ産のファシーという湯たんぽ用のカバー。ファシーは9年前のドイツ旅行で買っていらい妻が愛用中(ドイツでは一番安いのが5ユーロとか)で、ごきげんなカバーをずっと探している。
日曜雑貨以外では食い物が多い。
ジンジャーブレッドをはじめ、リンゴ飴ならぬチョコレートアップルなんてのは、西洋の子供たちの冬の味覚なんだろね。
一方でオトナはジビエなグルメで冬ごもりを楽しみましょう。
イノシシ!
シカ!
8月に谷間の村モンシャウで買ったマスタードの店もあった。
おお頑張っとるやないけと思ったが、頑張ってるどころじゃない、このあと何か所かのクリスマスマーケットを歩いたが、大規模なところにはこのモンシャウ・マスタードが必ずといっていいほど出店していた。
ドイツの屋台グルメといえば、やっぱりこれ。
人並に買い込んでかぶりつきました。
このホットドッグは思いのほかパンが美味しく、もちっとした日本人好みでありました。
そんなわけで要するにクリスマスマーケットというのは、日本のお祭りの夜店と同じことで、そんなことすら知らないわたしは、妻が「クリマクリマ」と行きたがるた理由を今ひとつわかっていなかったが、ここへ来てようやく合点がいった。
で、マグのことだ。
老カップルが手にしたマグを見たわたしは、
「おそろとかかわええやん、マイカップ持参かい(笑)」
と面白がっていたら妻から訂正が入った。
「あのね、これはね・・・」
クリスマスマーケットではホットワインがこうしたマグカップで提供されることが多く、好きなひとはこれを集めるのだという。
というわけでウチらも注文!
7ユーロ(900円)ほどのお代のうち、ワインは4ユーロで、マグカップを返却すれば3ユーロ返ってくるというのが標準的な相場。
このマグはいかにもな感じがして楽しいので、買い取ることにした。
クリスマス・マグのコレクター、誕生。
このあと別の街でも手に入れたので、まとめて紹介したい。
さて、自己責任で飛び込んでおいて言うのもナンだが、人混みは恐ろしい。ホットワインどころか強い酒の小瓶を並べて出来上がってるノーマスク兄ちゃんたちとかすごく怖い。
よって無駄な長居は避けて退散してきたわけだが、クリスマスマーケットというのは思っていたのと違って興味深い世界だった。その土地の暮らしの古いところから現代まで、ひとつながりになって見えてくる。
今年、クリスマスマーケットの本場ドイツでは、世界最大といわれるニュルンベルクをはじめ名だたる開催地が軒並みキャンセルとなり、みんながっかりしていることだろう。
そんななか、ベルギーにほど近い街でこれが見られたことは幸運だった。あとは感染してないことを祈るばかり・・・
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。