モンシャウを去るとき、村はずれで売られている名産品を見ていこうと思っていたが、そっちへ抜ける道路が交通止めになっており、泣く泣く村の反対側へ。
谷筋から森を縫うように駆け上がり、丘に出た。
あ、いまだにレンタカーに乗ってるわけだけど、買ったクルマは港で塩漬けになったまま受け取るメドが立っておらず、仕方なくレンタル延長。なんか「うちのクルマ」な感じになりつつあり(笑)
ドイツの丘陵地帯へもどる。
大地がゆるゆるとうねり、丘また丘の雄大な景色。
比較対象がないのが残念だが、この牛でかい。毎日バスタブ一杯ミルクとれるんじゃねーかと思うほどだが、サイズはともかく、広い牧場でのんびり過ごす健全さがいい感じ。
それにしてもあちこちに植えられた防風林?の整然たる風景といい、ドイツ的な几帳面さを感じてしまうのはわたしだけだろうか。
先祖代々たいせつにしてきた農地と、数えきれないほどの風力発電機。古さと新しさの両立が現代ヨーロッパ的だと思った。
クルマの旅の良さは、気になるところへの寄り道が簡単なこと。列車旅も好きだけど、この自由さがいいなあ。
気持ちのいい空気をたくさん吸い込んで再スタート。カーナビに言われるまま進んだら、さっきあきらめた名産品の店が近いと妻が言い出した。大回りして村の反対側へ来たわけやね。
140年前からマスタードを作っている Senfmühle Monschau(Senf=マスタード、mühle=工場)の詳細は、すっかりおなじみこちらのサイトでどうぞ。
どこで調べてもモンシャウ土産情報のトップに出てくるこの店は、何十種類ものマスタードを置いているというが、ソーセージとかにつけるあれやろ?そんないろいろつくってどないすんねんな感想を胸に妻の後を追う。
たしかにいろいろ置いてある。でも主な表示がドイツ語ということもあり、ようわからん。
と思っていたら、この人が声をかけてきた。
間違えた。でも似たような感じの元気なおっかさんで、どうやら店の四代目の奥さんらしい。
どんなのをお求め?と達者な英語できたから、マスタードに詳しくないのでオススメをうかがいたいと返したところ、それはもう次々とサンプルが出てきて賞味させてくれる。
「うちの元祖」という一品を筆頭に、アレンジものいろいろ(ニンニク、チリ、リンゴ、オレンジ、リースリング、カレーなどなど)、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世に献上してたいへん気に入られたマスタードなど、いろいろ個性あるんやなあ。
それにしてもこの女将さん、英語が達者なだけでなく、アメリカ人相手の会話の運びというか、ツボどころを押さえたセールストークがたいへんうまいなあと思っていたら、理由がわかった。
ドイツ国内にある米軍基地の売店でも売っており、ダンナはそっちで仕事しているのだとか。ドイツ特産品フェアみたいなのに参加してレギュラーの座を勝ち取ったとかいう経緯があるのだろう。
ぜんぜん悪い意味じゃなく元気で商売のうまい夫婦という感じで、さんざん味見させてもらったらそりゃもう何個か買わなくちゃいかんですわなあ。
左からニンニクマスタード(5.95ユーロ)、皇帝マスタード(7.95ユーロ)、元祖マスタード(7.95ユーロ)。
なおここのマスタードは「妙な混ぜものをしていない」ので開封後しっかり蓋して汚れたスプーンを突っ込んだりしなければ常温で「いつまでも」もつという。
面白いことにマスタードだけでなく、各地の酒(日本のウィスキーふくむ)やら漬物やら呑兵衛横丁みたいな品揃えが面白かった。
オレンジマーマレード(5.75ユーロ)、ワインゼリー(3.95ユーロ)、ピクルス(5.40ユーロ)。
以上、モンシャウの戦利品てか勢いで買わされた?!
ドイツの馬籠妻籠(←まだ言ってら)、印象ぶかい旅になりました。
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