Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

一度は「死んだ」楽園

プーケットを地上の楽園と思っているひとは少なくないと思うが、20年前、この島は地獄と化した。

2004年12月26日、目と鼻の先にあるスマトラ島沖でマグニチュード9.3の巨大地震が発生し、誰も見たことのない高さの波がプーケットを襲った。

観光客やリゾートの従業員の多くが命を落とした。

市街地も壊滅的な打撃を受けた。

それから21年後のプーケットは、なにごともなかったかのような表情を見せている。

あの日、穏やかな海の水が数百メートルも引き、そのあと岸に向かって牙をむいてきた様子を思い浮かべようとしても、うまく像を結ばない。

少なくとも外国人観光客にとっては一点の曇りもない見事なリゾート地として存在している。

津波に話をもどすと、わたしたちが滞在したカオラックは、プーケット島の近くのタイ本土に位置して、人的な被害はプーケットより大きかった。

当時のカオラックは、まだ大手資本による開発が進んでいなかったぶん高いビルがほとんどなく、平屋ロッジの滞在客や地元のひとびとは巨大津波から逃げることができなかったのだ。

海岸に沿って走る国道

街ごと津波に洗われたカオラック。この地域では4000人以上が死亡、行方不明者は1000人をこえたともいわれている。

そう思いながら街を歩くと、すべてのもの、すべてのひとびとに対して「生き残らはったんやね・・・」という気持ちが湧いてくる。

カオラック、プーケット空港からタクシー(またはホテルの有料送迎サービス)で1時間足らずかかる僻地ではあるが、ぜひ足を伸ばしてお金を使ってほしいと思った。夜はクラビングとかでぶいぶい言わせたいひと向きではないが、安くてすんげえうめえ地元食堂もあり、静かにのんびり過ごすにはいいところだと思う。

こういう料理が一皿100バーツ(2.7ドル)だったりするんだぜ。プーケットにはないだろな。

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