川沿いに素朴な家々が建ち並ぶモンシャウだから、できれば川を見下ろす部屋に泊まりたい。
そう考えた妻が選んだのは、ホーヒェム ホテル レストラン カフェ バー Horchem Hotel-Restaurant-Café-Bar という長ったらしい名前のところで、下の写真の右岸の建物はすべてそれにあたる。
前回紹介したサイトでホテルとして唯一ここが紹介されているのを帰宅してから見つけて笑ってしまったんだけど、きっと代表的な存在なんだろう。
料金は季節変動があると思うが、今回はリバービューの部屋が145ドルだった。
有難いことにテラスつきの部屋で、目の前に観光名所 Rotes Haus(赤い家)や教会をのぞむ。
午後7時には教会の鐘が数分間にわたって鳴り響き、いろんな意味で都会では味わえない空気に浸ることができる。
ちなみに真向いの家屋はこんな具合。
すごい壁。最初からこうだったのか、長年の重みで変形したのか。床が水平かどうか確かめてぇ、と強く思った。
部屋は期待しないほうがいい。
広さには余裕あるが、よくいえば簡素、冷蔵庫湯沸かし器コーヒーお茶セットなしという素っ気なさを「まっ、田舎だからねー」と受け入れる度量が必要とされる。
それと Wi-Fi がめちゃ弱くて使い物にならなかった。わたしたちが泊まったのは「はなれ」のほうで、本館から漏れてくる電波をひろうだけだったからと思われ。このあたりは田舎だからねーでは済まされない。
チェックインのとき、けっこうドキドキした。
以下のサインにあるように、村内にはコロナのテストセンターが置かれており、そこで陰性の証明が得られれば宿泊できるらしい・・・
という推測は後になってしたことで、村はずれの公共駐車場(24時間7ユーロ)から歩き始めたわたしたちは、テストセンター前を堂々と通過してホテルに向かった。
ホテルで何が起きたかというと、やはり証明書の提示を求められた。
わたしたちは陰性証明書を持っていない代わり、アメリカでワクチン接種したときの接種カードがあるので、それをなんにもいわずに差し出してみた。
手書きで名前と日付が書いてあるだけの簡素なカードで、こんなもん偽造する気になったらいくらでもという代物だが、ホテルの兄ちゃんは No problem! とにこやかに受け取ってくれた。
行政からのシドーがどうなっているのかわからないが、宿泊業者が客を遠ざけようとするはずもなく、はっきりいえば「なんか見せてくれればいいよ」という感じなのだろう。
村内にレストランはいくらでもあったが、怠け者のわたしたちは社員食堂に向かうサラリーマンのごとくホテルと一体のレストランへ。
ちゃんとドイツ式カツレツに舌鼓うちましたとも。
そのあと村内をそぞろ歩くも、妻が楽しみにしていた店(有機蜜蝋のクリーム類をおばちゃんが開発して売っている)が閉まっていてガッカリ。オンラインショップはあるけど、できれば使用感を試してから買いたいもんね。
ホテルは朝食つきだったので、簡単に紹介。
サラダといえるほどの野菜はなく、「ザワークラウトの国の田舎からかね」などと憎まれ口を叩きながら食す。
茶色い飲み物はカフェラテで、うちはコーヒー飲まない家だったのに、近年は酸が出ないコーヒーがあると聞けば試し、よく考えてみたら普通の豆でもコーヒー牛乳くらいうすうすだったら飲めるよねとか言いながら、ときおり頂いている。
なお朝食会場は屋内のみで、透明パネルの仕切りはあるものの、ブッフェに立つときマスクしないおっさんや、食事が終わってからノーマスクのまま大声でいつまでもしゃべっているグループなんかがいることを覚悟する必要あり。部屋のつくりはけっこういい雰囲気だった。
以上がドイツの馬籠妻籠(←だれもそんなこと言ってない)モンシャウの最低限の観光情報。
ってか小さな村だからいろいろあるわけじゃないけど、渋いのが好みの方はぜひどうぞ。
戦利品について書き加える前にエネルギーが尽きたので、またあらためて。
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