ペニーの尿路感染症はようやくおさまったが、今後のことを考えて慢性化をふせぐためクランベリーのサプリを飲ませようとアメリカから取り寄せたのは7月末のこと。
ところがいつまで待っても届かず、こういうときは地球の裏側(パラグアイとか)に飛ばされたか廃棄物になったか。
サプリと同じ箱で送られてくるはずだった別商品も届いていない。
アマゾンに連絡を入れた。
オンラインのチャットを始めるため商品名を入力するが、ひとつしか入れられないのでとりあえず「クランベリーサプリ」としておく。
チャットの相手は人間ではなくアマゾンご自慢のAIちゃん。
「状況を調べます」
↓
「未配達であることが確認されました」
↓
「返金か再送かのご希望は?」
そう尋ねてくるので再送を依頼したら、AIちゃんこう言った。
「申請はサプリでいただきましたが、同梱の別商品も再送でよろしいですか?」
人間のオペレーターだとここまで周到な対応ができないことが少なくない。
日本はどうか知らないが、アメリカ(およびアマゾンのカスタマーサービスを請け負っているインドやフィリピンなど)のひとたちの仕事はユルく、今回の場合であれば「未配達はサプリだけでなく同梱の商品も」と口を酸っぱくして説明しないと伝わらなかったりする。
ところがAIちゃんは商品の注文をめぐるすべての情報を「頭」に入れた状態できっちりお仕事してくれるわけで、ユーザーとしてもそっちを支持したくなる。
これからの時代はAIが人間の仕事を奪っていくという話をよく聞くが、具体的にどんな仕事がAIに取って代わられるのか、現状どれほどそれが起きているのか知らずにいたところ、期せずしてアマゾンでそれを見ることになった。
AIはどこまで行くのか。
たとえばカスタマーサービスの仕事はAIには不可能な部分があり、人間が最終判断する余地は必ずあるだろうが、そうだとしても責任者のところへ上がってくる一次情報は正確なほうがいいわけで、そういう現場でのAIへの置き換えは進んでいくだろう。
一般に低熟練あるいはパターン化された労働ほどAIへの置き換えが容易だから、今後は低学歴層の地盤沈下(=格差の拡大)がいっそう進むだろう。
アマゾンでいえばジェフ・ベゾスはいよいよ儲かり、リストラされた電話オペレーターは次の仕事を探すのがいよいよ難しくなっていく。
ああいう先進企業からモノを買うことは、こうした変化に手を貸すオソロシイ行為でもあるわけだが、時代の流れは止められない。
たしか日本でも生命保険の加入をAIとの会話で手続きする会社が出てきたと聞いた気がする。
若い人たちは、ベンキョーを舐めず嫌わず全力を尽くさないと下流からの脱出はいよいよ難しくなるだろう。
そうだとすれば、学校教育の枠内では能力を発揮しにくい子たちのニーズに応える教育を普及させ、いわゆる落ちこぼれを防いでいかないと、20年後の社会はかなりヤバイ感じになるだろう。
藤井聡太二冠は将棋AIよりすごい手を打つとワイドショーが誉めそやしていたが、AIに勝てるやつなんてそうそうおれへんのやから・・・
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