キムジョン将軍ひきいるあの国がらみで、また妙なことになっている。
サッカーW杯の予選で日本との試合を直前にキャンセルして不戦敗を喫した北朝鮮は、6月に行われるシリア戦とミャンマー戦に勝たなければW杯への出場はない。
それらの試合は、いずれも北朝鮮で行われることになっていたが、またしても急な変更が行われた。試合はラオスでやることになった。
その理由について関係するどの国からも公式の説明はない。ただ、シリアサッカー協会は、去年11月にサウジアラビアで行われた北朝鮮戦において何らかの不正が行われたことを示唆しており、今回の会場変更はそれと関係しているのかもしれない。
11月に何がおきたのか。
開催地サウジアラビアはシリアのアサド政権と仲が悪く、シリアが不利になるような工作を仕掛けた?
それとも不正を行ったのは北朝鮮で、次の試合が平壌開催であれば前回にも増して好き勝手をされるリスクがあるから?
いずれにせよ北朝鮮にとってはホームゲームとなるはずの2試合が外国で行われることとなり、崖っぷちから片足を踏み出したような気がしているだろう。追い詰められたぶん大胆な行為に走るのは北の伝統芸能だから、ラオスで開催される試合に向けて何か妙なシカケを講じてくるかもしれない。なにしろラオスは北と国交を結ぶ数少ない国家だから、大使館員のふりをしたネズミを潜り込ませるのはいとも簡単だしねえ。
それにしても国際大会に対応できるサッカー場がラオスにあることを知り、驚きつつ急いで調べてみたら、2009年にすごいのが作られていた。
その年ラオスは、「東南アジアのオリンピック」とよばれる東南アジア競技大会の開催地となったため、がんばって建設したらしい。
2万5000人を収容するメインスタジアムのほか、6つの建物(2つのインドア競技場、競泳場、テニスコート、射撃場、アップ場)のある巨大スポーツ施設。
そんなものを建設する国力あったっけと思うよね。安心してください、150億円にのぼる建設費を用立てたのは中国資本。何から何まで中国あってのラオス。
とはいえ、スポーツ施設ってのは維持費がすごいんだよね。大きなイベントを次々に開いて収入を得る必要があるんだが、ラオスにそんなビジネスチャンスがあるとは思えない。とりあえず心配なのはメインスタジアムのコンディション。W杯予選の2試合が土だらけの芝で行われることのないよう祈るばかりだ。
シリア、ミャンマー、北朝鮮。サウジアラビアにラオス。サッカーを通して眺めるだけでも、アジアというのは不安定な地域だと思う。その意味でも日本というのは奇跡的な存在だよね。
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