Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

覚醒剤がビールより安い!

ゴールデントライアングルって聞いたことあるよね?タイ、ミャンマー、ラオスの国境が交わる三角地帯では、長年にわたって麻薬が盛んに生産され、世界中に供給している。それでお金を儲けている連中にとっては「ゴールデン」かもしれないが、人類にとっては地獄のトライアングルだ。

その三角地帯に異変が起きている。麻薬生産の主力地帯はミャンマー領内にあるんだが、ミャンマーではご存じのように2021年に民主的な選挙結果を軍がひっくり返すクーデターがおき、それ以来続く政情不安定のせいで麻薬製造の取り締まりがグダグダになり、生産量が跳ね上がったというのだ。

その結果なにが起きたかというと、大量の覚せい剤がラオスに流れ込み、ダブついて価格崩壊が起き、今では錠剤1個がわずか0.24米ドルで売られているという。

麻薬に疎いから安さが理解できないって?そりゃ良い心がけではござるが、そこんところがわからぬままでは気の毒なので比較対象をあげると、地元産ビール Beerlao の中瓶が0.75ドル。いまラオスの覚醒剤は驚異的に安い。こうなればアジア最貧国のひとつであってもごく簡単に覚醒剤に手を出すことができ、汚染は急速に広まっているらしい。

リハビリ施設は満杯...

覚醒剤にひっかかるラオス人は気の毒だが、心配されるのは記録的な安値のウワサを聞きつけてラオスへやってくるヤヴァイ外国人のこと。ラオスでは麻薬の使用には厳罰が与えられるとはいいながら、薬物ゾンビな連中にとってはたいしたブレーキにならないかもしれない。経済危機だけでもこの国のひとたちは苦労しているんだから、これ以上のゴタゴタはほんとに止めてほしい。

ちなみに「震源地」ミャンマーではクーデターで実権をにぎった国軍では、市民への武力による抑圧への嫌悪感が広がり、対抗する武装勢力(民主派や少数民族グループなど)に投降するケースが相次いでいるという。このさき事態が収束するどころか、いっそう混乱するようであれば、ラオスが受けるとばっちりも容易にはおさまらないだろう。このゴタゴタ感、日本に生まれ育つと一生味わうことがないかも。

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