Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

エンジョイ古民家ってどうなのよ

おとといから咳がひどくなり、大気汚染のせいだろうと思っていたら(それもあったかもしれないが)インフルエンザにかかっていた。

コロナ+インフル+呼吸器系の感染症に対応する「三徳検査キット」を使ってみたら、インフル陽性の赤線がしっかり出ておったわ。熱は38度近くまで上がり、平熱の低い拙者としてはけっこう辛かった。ウィルスが消滅するまではしょうがない。

さいきん日本で話題なのは、消滅可能性都市。2050年までに全国744自治体が持続不可能になって消えるかもな件だが、その研究を行った有識者会議を代表して話をしていた増田ナントカっておじさんのこと、皆さんご存じ?

岩手県民の皆さんなら間違いなくご存じ。元岩手県知事の増田寛也さん。在任当時から人口減少時代の地域づくりをめぐる発信を活発に行ってきた。

20年ほど前のこと、あるシンポジウムに増田知事(当時)をお迎えして話を伺ったところ、岩手県のような人口減少先進地では今後ひとが住めなくなる町村が続出すると断言しておられた。

住めなくなる理由のうち大きなものは、インフラを維持するお金がなくなるから。今はまだ人口密度が低い「ど田舎」であっても、道路・河川・水道といったインフラをなんとかもたせているが、すでに橋ひとつを見ても耐用年限を大幅に過ぎたものが多く、どの程度の修繕が必要なのかを見極めるための検査すら資金不足のせいでできなくなっているという。これ全国的な現象な。

今後は使用中止になる橋が続出するだろう。道路はあっても橋が渡れなければ、その地域の交通は遮断される。限られた財源を幹線道路にまわしたとしても、山間の集落へとつながる道路は「切り捨てる」しかなくなるのだ。

増田さんがそんなことをおっしゃるのでエエッと目を丸くしたら、「だから住めなくなる地域からは移住を誘導するなどしか方法はないのです」と、あの淡々とした誠実なお話しぶりで結論を述べられた。

最近は田舎の農家を田畑ごと買い取って移住し、エンジョイ古民家暮らしなひとたちが増えている。周囲は年寄りばっかりで、放っておいても10年後にはエンジョイ古民家暮らし一家しか残っていないかもしれないが、自治体としてはそこにひとが住むかぎりインフラを維持していく義務があるから大変だ。1家族5人の暮らしを支えるため莫大なお金を注ぎ込むのことの合理性は・・・という議論が必要になってくる。

だからエンジョイ古民家なんてやめとけと言ってるわけではないが、そんなに遠くない将来、厳しい選択を迫られる可能性は否定できない。

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