庭師Tさんが通ってくるようになって3日目、彼が意外な行動を始めた。
洗車。泥道を走って汚れまくっていたのをざっと洗い流したあと、どこから持って来たのか洗剤で泡だらけにしていた。もしかしてこれも庭師さんの仕事?と思っていたら今度はモップを出してきて玄関前のタイルを洗い始めるではないか。
どうやらTさんは家の外側の一切を美しく保つことが自分の仕事と心得ているらしい。「ガーデナー」と紹介を受け、庭のめんどうを見てくれるだけで大助かりと思ってたんだけど、ラオスではこういうのが普通?世界的にこんな感じ?
ところでTさんには月に100ドルのお給金を払うことになっているが、手渡すお金はすべてピン札という取り決めがある。少しでも汚れや折れのあるやつは勘弁してくれ、まっさらピン札絶賛熱望だというのだ。
最初にそう聞いたとき、もしかしてラオス人には異様なまでの潔癖性(でもラオス紙幣は普通に汚れている)もしくはピン札を見せびらかす子供じみた見栄があると思ったが、そういうことではなかった。
以下は単なる伝聞であり、どこまで正確かわからないが、
①年来の通貨下落によりラオス政府の対外支払いは厳しくなるばかり。
②ドル建て払いの場合ピン札を使わないと、仲介する銀行から「キズもの手数料」みたいなものを取られて出費がかさむため、政府は手に入るドル札をすべてピン札で揃えたい。
③政府のピン札ルールは民間にも影響をおよぼし、Tさんは、両替屋にピン札を持っていかないとラオス通貨(キープ)への交換レートが悪くなる。
こうして、外国人>ラオス国民>両替屋>銀行>政府というピン札吸い上げシステムが完成したらしい。そもそもなぜ政府の対外支払いに現金が必要なのかわからないが、いずれにせよ今ラオスではドルといえばピン札でなければアカンらしい。
と、ここまで書いてきて思い出したのは、一時帰国中の日本で財布の中身がすべて新札ぽいことが珍しくない件。そんな夢のようなことがいつまでも続けばいいんだけどねー。
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