Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

それらはみな真っ黒だった

すべての荷物の運び出しが終わり、部屋が完全に空になった。一年前、日当たりと開放的な間取りに惚れ込んで選んだ部屋も、家具を入れれば狭くなるばかりだったが、あらためて空っぽになるとこんなに広かったんやねえ(引越しあるある)。

退出直前、ガラス窓にクリスマスシール痕を発見して拭き取りちう

この家は妻にとって、パワハラの後遺症と戦いながら少しでもリラックスして働けるシェルターだった。1年たって元気にシェルターを卒業できるかといえば、とてもそこまでは来ておらず、せめてあと1年はこうしていたいと今日も涙を浮かべていた。涙の半分は辛さだが、あとの半分は大好きになったこの部屋への感謝だったろう。

考えれみればわたし自身も間もなく転勤という実感がまるでなく、来週以降のスケジュールは白紙というか、予定を書き記すページすらないような不思議な気分。それでもアメリカの生活風景とはしばらくお別れという感覚だけはあり、道ばたのちょっとした風景にシッカリ目が行ってしまう。

大雑把な言い方だが、西洋の街が美しいのにはいくつか理由があり、こういうのもそのひとつだよなーとペニーと話し合いながら歩いた。

街灯とゴミ箱と車止めの柱がすべて黒く塗られている。このうちゴミ箱は、日本のそれがガチャガチャしがちなのと比べて、潔いまでのシンプルさ。黒はどの色とも合うからね~。道路の脇役の色を統一することで風景に締まりが生まれている。

日本だったら、ゴミ箱を設置する清掃局がステンレス製の銀色を選び、車止め(ガードレールなど)を設置する建設局が白を選びといったふうに、それぞれに仕事を進めているのだろうが、もっと高位の都市デザインの見地から「道路の工作物は基本的に〇色で」みたいに統率する仕組みがあれば、事情が変わってくるのかもしれない。

ちなみに上記の真っ黒3点セットを眺める位置には、これまた真っ黒の椅子テーブルが置いてあり、この過剰なまでに禁欲的な佇まいが個人的には好き。カフェテラスの什器の色にまで行政が口を出しているとは思えないので、これは偶然の一致だろうけど。

まあ仮にこうした色の統一(やコーディネート)をアジアの都市で実行したとしても、街の成り立ちが違うから効果はないのかもしれない。てか、ごちゃごちゃしたのが好き!ってのあアジア人の感性なのかもしれず、それはそれでいいと思う。

てなことを考えながら歩いていたら、これまたシックな色合いの自転車が。

電動アシストやね。荷台が異様に長く、これで幼児ふたりを積載?

ママチャリってえとハンドルの前にふたり目を乗せて危なっかしく見えたことを思い出すが、これなら安定しそう。

ここ数日ばたばたしていてペニー姫のめんどうをそれほど見ていられなかったので、罪ほろぼしで長めの散歩をしながら、何気ない路傍の風景を目に焼き付けるモードになっていた。なーんだ引越しする気あるんじゃん?

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