悪魔の所業の詳細について書くつもりだったが、そう思っただけで動悸がして胃が重くなるってことは自分で思ってるよりも傷が深く、まだ無理すんなというサインなのだろうと解釈し、ブリュッセルの思い出を記すことにした。
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近所を散歩するとき、たいていの家の玄関脇にちょっと気になるものがあった。
赤い扉の左下にちょっと見えている・・・
こちら。
最初にこれの存在に気づいたとき、わんこつなぎ用?牛乳配達用?花束を差す?などと首をひねったが、いまふたつ説得力を欠いていた。
ちなみにこの穴は、放置され土やゴミが溜まっていることが多い。
もともとはあったに違いない金属製のベルトがなくなっていることも。
かと思えば、わりと最近になって新たに設置された金具もあり、謎は深まるばかり。
それでまあちょっと思いついたんだけど・・・
もしかして用途は・・・
こんな感じ?
ごりごり。靴の泥落とし。
サン=ジルというこの地域は19世紀に爆発的に人口が増えた。ベルギー王国が独立(1830年)し、ブリュッセルが首都と定められたとき、隣接するサン=ジルは一面のキャベツ畑で人口は2500にすぎなかったが、首都の発展に期待した移住者がどっと押し寄せ、人口は90年間で6万にまで増えた。
今わたしが見ている家の大半は、その時期に建てられたものだろう。そして当時の道路は未舗装だったんじゃないか。金持ちの街だったら石畳になるところ、労働者階級にそうした財力はなかったはず。そして雨の多いこの土地では、降るたび靴が泥んこに・・・
という「泥落とし説」をとなえてみたんだけど、実際はどうなのかね。
今はもちろんアスファルトか石畳だから靴が泥んこになることはないが、公園で踏んだ土が靴裏に残ったり、歩道上にイヌのウ〇チがけっこう落ちてたりという問題はあると思う。あたしに言わせりゃ靴脱げよって話だが。
この未確認物体、なかなか表情豊かで、建て主の好みやコダワリを感じることができる。
この界隈は庶民の街なのでコダワリっつったってこんなもんだが、富裕層の街へ行けばもっとすごいのがあるんじゃないか。
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というブリュッセルの思い出。居住者としてヨーロッパの都市をじっくり見られたことはいい経験だった。2年目は食事やお茶でカフェをどんどん利用して都市の空気をたっぷり吸い、数ある歴史的遺産を見て歩こうと考えていたのが思わぬ中断を見たことは残念でならない。
でもまあ行く先似たようなチャンスがあるかもしれないわけで。
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