Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

パリは食い物がうまくねえ、というウワサ

フランスでうまいものを食いたかったら田舎へ行けという箴言を耳にしたことがある。

裏を返せばパリのレストランは(星がつくような高級店は別として)あんまり期待しないほうがいいってことだが、はたしてそうなのか。

わたしたちは3泊4日の滞在中、いくつかの店に足を踏み入れるうち、ははあ~んなるほど・・・と妙に納得できる部分があった。

とりあえず文句なしに美味かったものについて。

BO & MIE というパン屋。

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ここはいつ通りかかってもえらい人だかり。

住んでたら買うよ~、なバゲット。

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甘いものはどれもこってこてのバターを使っているようで、それなら美味いに決まってる。

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3時のおやつにひとつ買ってみました。

ペニーさん、ぴょんぴょん。

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食感といい味わいといい、そりゃもうバッチグーな仕上がりでありました。

それと比べて一般のレストランはねえ。夜の街をほっつき歩くうち、なんの情報も哲学(笑)もなく飛び込んじゃった店で、売りもののチーズフォンデュを頼んでみたところ・・・

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「肉のやつ?」と聞かれてそれにしたんだが、出てきたのは塩分過多のハム・サラミの山盛り。これがとてもしょっぱいのと、チーズも微妙な味だったのとで、粛々と片付けるような食事になってしまった。洗練されていない田舎くささが売りのメニューであることはわかるが「パリなんだから」もうちょっとなんとかしてほしかったというのがこちらの感想。

コロナ以前には外国人だけでも年間9000万人の観光客が押し寄せていたパリだから、質の高いサービスではなく、儲けだけが目的のすれっからし経営者が多いのかもしれない。

そんなパリで日本食レストランがどう頑張っているのかと思い、訪ねてみた。

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SANUKIYA といううどん店は、フランス人・日本人だけでなく、中国・韓国系のひとたちにも人気があるようで、夕方の開店まもなくこんな感じで列ができていた。

天ぷらは、まずまず美味しかった。

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ただし、わたしたちの好みでいえば衣が厚すぎ。独逸国デュッセルドルフ「そば庵」の天ぷらが、日本の専門店でもなかなかお目にかかれないほどスッキリした揚がり具合だったのと比べてると、まだまだの感あり。

麺はどうだったか。わたしが頼んだ「味噌玉」は、味噌仕立てスープに半熟たまごを乗せたもの。

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残念ながらスープがたいへん薄く、「味噌はいったいどこ?」な状態。年齢相応に薄味を好むようになったわたしですら驚くほどだったので、何かの間違いではないかと店員さんに尋ねたかったが、とても忙しそうなので声が出ず。そのようにして済ませてしまったくせに難癖をつける感じになるのは申し訳ないんだけど、あれはちょっとキツかった。妻が食したざるうどんは歯ごたえ喉ごしともにたいへん美味だったとのこと。

スイーツにも挑戦してきた。室町時代の創業、東京赤坂をはじめ国内80店舗を数える老舗、虎屋のパリ店

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期待が高かったこともあり、この店にはがっかりさせられた。まず表に貼りだされたメニューに「かき氷」があり、とても暖かったこの日、妻は主にこれに惹かれて入店を決めたのだが、着席してウエイターがやってくると、それは季節メニューだからないという。

あらら。3月にかき氷はアヤシイと思ってはいたが、季節限定という表記がなければ期待してしまうではないか。

仕方なく、手渡されたメニューのなかから「お汁粉」に決め、ふたたびウエイターを呼んでオーダーしようとしたら、今日は切らしているという。だったらメニュー渡すときに言えよ。どんだけ客をウロウロさせる店か、虎屋パリ店は。

2連続「イラッ」の影響で評価がキビシクなるところはあるが、抹茶と豆乳入りのとらや風ココアは、ココア風味と抹茶風味が「ただ混ざっている」以上の何かがなく、これに7.9ユーロ(1060円)の値段をつけた虎屋の勇気に感服させられた。

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羊羹AUショコラというお菓子は、その名のとおりチョコレート風味を加えた羊羹で、とらや風ココアほど意味不明ではないものの、ものすっごいちっこいかけら3ヶを5.5ユーロ(740円)で売る度胸はなかなかのものという気がした。

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サイズは成人男子の親指の爪ほど

こういう商売をしていても、いやこういう商売だからこそフランス人が喜んでやってくるのかなどと思ったらなんだか悲しくなり、飲食を終えるなりそそくさと退店してしまった。

そのあと「越前そば東郷」へ。ジャポネなお店にこれ以上がっかりしたくないんだけど、いったいどんな店か・・・

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おっかなびっくり気味で開店を待ち、1番バッターとして堂々入場。

さっそく注文した天ぷらは・・・

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衣は薄め。野菜の歯ごたえをうまく残しながらの柔らかい仕上がりは、うどん屋さんのより美味しく感じられた。ただしデュッセルドルフ「そば庵」にはかなわない。

東郷の蕎麦がどうだったかというと・・・

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そば庵とはタイプが違い、しろうとが比較できるようなもんじゃないが、噛むほどに蕎麦粉の味わいが沁み出してくる満足感があり、少なくともその点でデュッセルドルフそば庵に負けるものではないと思った。

なお、蕎麦を噛むのは野暮だ、あれはごりっとしたのど越しを楽しむものだというひとがいて、わたしはそれを否定はしないが、よい蕎麦をじっくり噛んだときの美味もまた大きな楽しみだと思っている。

そういうわけでパリにも蕎麦はある、というのが今回の感想。

ただし全体として見れば、「うまいものを食いたければ田舎へ」とフランス人が言う理由がよく理解できた気もする。だってストラスブールとかハズレなくなんでも美味しかったもん。

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