Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまブリュッセル(ベルギー)

ならず者は締め上げるしかない?

わたしは個人的に会ったロシア人はたいていが「無類のお人よし」と感じさせるキャラクターで、実に愛すべきひとたちだと思っている。

ところが国家という集団になるとロシアは粗暴なならず者に豹変する。

内政的には法律を都合よくいじって大統領の座に2036年まで居座れるようにした皇帝プーチン(彼はウクライナなど周辺国家を併合して「ロシア帝国」を築き、リアルに皇帝を名乗りたいのではないか。今のロシア人はそれに大喜びしそうだが)は、外交でもならず者ぶりを発揮しているが、それでも他国首脳と会うときには紳士ぶろうとする努力はしている。

それと比べてならず者まるだしなのが外相のラブロフで、他国の交渉相手にきわめて無礼な言動で接することで知られている。

最近ではイギリスのトラス外相とウクライナ問題について会談した際、意地悪な「引っ掛け」を演じた。

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トラス「ロシアがウクライナ領内に兵を進めることは断じて許されない」

ラブロフ「それは例えば〇〇(ウクライナ国境近くのロシアの小都市)であってもですかな?

その都市名はトラスにとって初耳だったが、話の流れからしてウクライナのことだろうと考え、咄嗟にこう答えた。

「もちろんそうです」

するとラブロフはニタリと顔をゆがめ、「ほほぉ、あなたはロシア領内の兵の移動すら許さないとおっしゃるわけですな」と特大の嫌味をかましたという。なんじゃこれは。柔道の試合に出刃包丁を持ち込んで振り回すような無法ぶり。

そのうえラブロフは、側近に「あのイギリス女はアホだ。つんぼ*1を相手に話しているようなものだった」と語ったというが、意図的に外部に漏らしてトラス外相に恥をかかせる目的だろう。

ラブロフは過去にこうした無礼をオバマに対してもマクロン仏大統領に対してもしかけ、粗暴なならず者としての「名声」を築いてきたわけだが、その目的は何か。交渉が始まる前から相手を圧倒し、自信を奪う作戦だろう。

そんなロシアだが、今回は戦争になるようなならないような微妙な情勢が続いている。やはりプーチンは迷っているのか。

迷いの原因は、制裁措置などの点で思いのほか強く出てきた欧米と、それに連帯を示す国際社会だろう。

プーチンにとって天然ガスは最強の戦略物資であり、これを止めるといえばヨーロッパは言いなりになると思ってきたわけだが、今回は傍観主義で知られる日本ですら液化天然ガスの備蓄を融通すると言いはじめ、ロシアは真綿で首を絞められる一方。

こうした包囲網が奏功して戦争を未然に防ぐことができるかどうかわからない。プーチンにも立場というものがあるから、最低でも1回はドンパチをやって格好をつけるかもしれない。

仮にそうなったとしても、ここまでに重要な教訓が得られたように思う。ならず者には徹底的に強く出ること。

ロシアが相手の交渉では、他国の主権の尊重やら人道やらの訴えは一切通じない。代わりにロシアが無茶をすればどれだけ痛い目にあうのか、国際社会がどれだけ本気で怒っているのかを懇切丁寧に知らせてあげるのがいいと思う。

ラブロフが交渉相手のときは、他国への出兵の是非を説いても出刃包丁を振り回されるのがオチだから、そういう話は持ち出さない。代わりに、ラブロフがロンドンに保有する豪邸が差し押さえになっちゃったらどーすんのかなー?ロシア有力者の子弟がこぞって通っているパリなんかの学校から締め出されたらどーすんのかなー?的な脅しをあけすけに語るのがけっこう有効だと思う。

もちろん推計22兆円というプーチンの資産(大半は海外)をガチで押さえちゃうよーといったエゲツない攻撃の徹底も大事。

ならず者は締め上げる以外に手がない。ひとりひとりは「無類のお人よし」だと思っているから残念だが、これが対ロシア外交の現実だ。

そのあおりをくった妻は、混沌としたヨーロッパ情勢にテンパった職場のえらいひとから無用なプレッシャーを受けて青息吐息の毎日。

早いとこ「退却するわ」と言ってくださいプーチンさん。いや皇帝さま。

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*1:聴覚障碍者を差別する意図はなく、ラブロフの侮蔑的なニュアンスを伝えるため敢えて表記