ドイツ観光の目玉ともいえるローテンブルクについて薄暗い話をしてしまったが、だからといって観光地としての魅力が大きく損なわれるわけではなく、わたしたちも普通に滞在を楽しませてもらった。
わたしたちが2泊したホテルは、けっこう個性的で面白かった。Villa Mittermeier ビラ・ミッターマイヤーといい、同一敷地内の何軒かの民家建築がホテルやレストランとして利用されていいる。
クルマはだいたい敷地内駐車が可能なもよう。
このホテル、城郭の外側に位置するせいかローテンブルクでは割安に思えるのだが、観光に不便ということはない。
ホテル前で撮ったこの写真の背景に城壁が見えるだろうか。
ホテルから道を渡ればすぐそこが城門で、歩き出すなり濃厚なローテンブルクの空気を満喫することができる。
室内はモダンでユニーク。
この本棚ひとつあるだけでホテルではなくアパートの一室にいるようで気が和むんだな。
一方でバスタブを囲うのがカーテン一枚ちゅうのは人によってはどうなんだろうと。
シャワールームは写真の左側にあり、ドアはガラス製。ドイツのモダンデザイン、なかなかどうして攻めがキツ目ですね。
街を歩いてみよう。
食事どころは数多く、わけてもお値段なかなか味も高級な人気レストランにも入ってみて、なるほど!と納得する内容ではあったけれど、ドイツ料理ってレパートリーがアレだから飽きるんだよね。
いつもお世話になっておりますシュニッツェルですぅみたいな。
そんなとき、救いのオアシスになってくれるメシ屋発見。
Tobingo Donel というケバブ屋さんで、旧市街のど真ん中にある。
見るからにトルコ系の兄さんたちが働いており、だけどドイツの店だからなーといささか腰引け状態で食したところ・・・
これがえっらいうまかった。味付けが控えめで舌にも腹にも優しい感じ。するする食べられる。
このようにあっさり系の味付けがドイツで通用するというのは不思議だが、考えてみたら世界の観光客を相手にしてきた店だからねえ。
とにかくこの店でひと息つくことができて有難かった。
デザートどうしよっか。
ローテンブルク名物シュネーバルは試さなかったのかって?
試しましたよ。
証拠写真もある。
残念ながらわたしたちの口には合いませんでしたが、食べてるひとはたくさんいた。
おみやげ記念品を買いに行きましょう。
山ほどあるショップのうち、日本人の経営と思われる店が目に留まった。
イシイスミコさんの目利きで職人の逸品を集めているらしい。
おそらく日本人のテイストに合うようなものを発掘したり製作してもらったりしているのだろう。コロナ禍で日本人が消えて以降は厳しい状況かもしれないが、いい店だったらドイツ人などヨーロッパの客も来てくれるだろう。逆風にめげず頑張っていただきたい。
うへっ・・・と目が釘付けになるショーウィンドウがあった。
なんかようわからんが日本産の酒が並んでいる。
物好きな酒屋かと思ったらそうではなく、イチモンジ・ヨシエさんというファッション業界出身の方が洋服や小物を製造販売する ICHI's という店だった。
そっち方面の目が暗い身の上ゆえ「すばらしいセンス」などと持ち上げることはできないが、ひとつ思ったことは、とりたてて日本人向けというビジネスではなく、世界からこの街に集まるひとたちすべてに向けて仕事をしているという印象だった。
そのうえで、これはイチモンジさんの個人的な好みから発したものか、山桜(福島)、KAMIKI(奈良)、富士山(山梨)など地のウィスキーを並べて、見よこれがニッポンだ!と主張している感じが痛快。
てかさ、「春」「夏」「秋」みたいに展開されたら、もうそれだけで賞味したくなっちゃうんですけど。
呑兵衛路線が危惧されるわたしたちのことはさておき、ローテンブルクで商売に精を出されるみなさん(なぜか女性ばかり?)の末永いご健闘を祈っています。
というわけでわが家は、そんなにおしゃれなものが身に着くわけでもなし、ベタな記念品をさがして歩いてみました。
妻にとって記念品は実用的なものでなければならないので、そういう店へ。
ご覧の通り、クリスマス飾りの店でありました。
クリスマスに楽しい飾りものをするという習慣はドイツで生まれたのでそうで、その可愛らしさと我々が認識するかれらの国民性がどうもうまくつながらないところはあるが、この国では世界に知られるクリスマスマーケットが各地で開かれるだけあって、日常的にこういうのが手に入るんですね。
妻は以前からこういうのが気になっていたみたいで、念入りに品定めしてました。
家だけでなく、人物や農機具・家畜などを揃えるとびっくりするほどリアルにドイツの風景をものがたってくれますね。
今んとこわが家は「家一軒」を買うのにとどまったけど。
日が暮れたら人気レストランでもケバブ屋でもいいから食事を済ませ、一杯やりに行きましょう。
この晩、芸もなく白ワインを頼むわたしを置いて妻は、ドイツで人気のアペロールのカクテルを注文。
オレンジ色したアペロールはイタリアのリキュールで、カンパリに似た苦味が少しあるがマイルドな飲み口。それをトニックウォーターなどで割るのをドイツ人は好きらしい。
ふわーっと気持ちよくなりました。
ローテンブルク滞在はこれでおしまい。
ここから車上生活者的なシーンを経て、ふたたびアドリブでルートを決めるぶらり旅のはじまりはじまり。
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