わたしたちが暮らす界隈には移民の労働者階級が多く暮らし、通りにはいろんな言葉が飛び交い、活気があるといえばあるのだが、同時にかなり柄が悪い。
柄の悪いさについて手抜き無しに紹介しようと思えば、かなりバッチイ話を含んでしまい、当ブログのヒンイにかかわることであるため、どう書いたらいいものか悩んでいる。
で、それを待つあいだ、お金持ちの話をしようと思う。
うちから歩いて数分、中世の城門のすぐ近くに La Boule ラ・ブール(ブールは石やガラスなど硬いもので作られた球体)というパン屋があり、初めて入ってみた。
入店したのは妻だけで、わたしはペニーと外で待っていたのだが、そのとき店先に置いてあったのがこの自転車。
ヨーロッパでよく見る長い車体に荷物や子供を乗せるやつ。便利なぶん車体が重くてたいへんなのだが、近年は電動アシスト車の登場で人気が上がっているらしい。
この自転車は Bullitt(弾丸)というブランドで、すいすい走る姿がかっこいい。
ただしお値段がすごい。
◆電動アシストなし
2610ユーロ(34万円)から
◆電動アシスト
4760ユーロ(62万円)から
◆電動アシスト 多段ギアつき
5850ユーロ(76万円)から
どういうひとがチャリンコにこれだけのお金を払うのだろう。都市生活にクルマは不要というエコなひとにはぴったりだろうが、4人家族なら2台いるよね?
労働者階級の買い物ではない。
実はこの界隈、中流階級タウンとの境目になっており、「ふたつの世界」を同時に見ることができるのである。
ところでこの高級チャリの存在を、個人的には少し寂しい気持ちで見ていた。日本にはもっと安い製品があるからだ。
オートバイメーカーのカワサキ(川崎重工業=本社は神戸やで)は、今年こんなものを発売した。
三輪車だから上記の自転車より幅が13センチほど広がってしまう一方、コケるということがまず考えにくく、「ノスリス」はかなり安全な乗り物だといっていいだろう。
そして値段が安い。今年おこなわれた試験的な販売では
◆電動アシスト 27万円
◆フル電動 32万円
という値段がつけられ、今後の正式販売においても似たような額になるだろう。
62万円もするヨーロッパの電動アシストとくらべてトンデモナイ競争力あると思うんだけど、輸出しないかなあ。実用的で無骨なデザインが欧州のオサレな都会じゃウケないかなあ。でも日本企業がんばってほしいなあ。
そんなパン屋(どんなパン屋?)で買ってきたやつで日曜の朝食。
わたしたちが行った時間帯には売り切れ続出で選択肢が少なく、似たようなものになってしまった。
チョコレートチップ入りのクロワッサン2個、ソフトボール大のバター&チョコチップたっぷりの危険なパン1個(下はそのスライス)、バゲット1本で13ユーロ(1680円)というのは安くはないけれど高いというほどではない。
この小悪魔のようなパン(というよりお菓子)とともに、ブリュッセルの「境界地域」の味わいをかみしめる日曜日であった。
バッチイほうの話の書き方はさっぱり浮かんでこないまま。
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