Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

巨大病院で彼女が見たものは

期せずして再度ルーベンを訪ねることになった。

電車で30分、東京駅から羽田空港ほどの距離感だから気軽に出かけられはするのだが、ベルギーの鉄道のいい加減さには泣かされる。

20分遅れになった電車を辛抱強く待っていたら、いつの間にかキャンセルとなり、次の電車が10分遅れで来たのにようやく乗ることができた。

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雨もようのためレインコートで

ルーベン行きの目的は、そこへ出張してきていたドイツ人の友人に会うため。

ドイツの医療機器メーカーに勤める彼女Cさんは、ルーベンの大学病院に納入した機器の使用法をレクチャーするため、ハンブルクから6時間クルマを飛ばしてきた。

ちょっと大雑把な言い方をすると、EU加盟国間の移動は、電車や飛行機など公共交通機関を使うばあいはコロナ陰性証明書やワクチン接種済み証明書が必要になるが、個人的なクルマ移動ではスルリと国境を越えられるようだ。

それぞれの国内での生活上の規制はまちまちで、たとえばドイツではPCR検査が無料で受けられ、そこらじゅうに検査所が置かれている一方で、室内でのマスクは一定のグレード以上のものが要求され、一連のルールを破ると重い罰金が科されるといったシッカリぶりらしい。

一方でベルギーはそれと比べれば全体にユルイ感じで、Cさんはルーベンのホテルの予約やチェックインのとき「コロナのことなんかなーんにも言われなかったよ」といっていた。

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ベルギー地ビールで乾杯!

コロナはさておき、Cさんの今回の出張でいちばん驚いたのは、いざレクチャーを始めようとしたら肝心の装置が故障していたこと・・・ではなく、「本物の心臓」のことだった。

巨大な病院のなかをあっちへウロウロこっちへウロウロしている最中、移植手術のための心臓が運び込まれるところに出くわしたのだという。

詳しい状況はわからないが、クーラーボックスが廊下をすっと通り過ぎていったとかではなく、「こっ、これが心臓すか・・・」と目をまん丸にしてのぞき込むような遭遇だったらしい。

この話を聞いたときわたしは、

(おれ、そういうの直視できんやろなあ)

と生来の意気地なさまる出しの感想しか出て来なかったのだが、妻はちょっと違った。

「こんな時でもさあ、お医者さんとか看護師さんとか医療機器メーカーのひとたちとか、がんばってくれてるからあたしたち暮らせるんだよねえ」

なるほどそう言われりゃそういう話でもある。

われわれのように病院にはあまり縁のない暮らしをしている者のためにも、ずっとそこにいてくれてるんだものなあ。

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ベルギー名産ホワイトアスパラ料理

ところでドイツから来たCさんは、ルーベンのほかに出張先の候補があり(ポーランドだったかな)、上司からどっちに行く?と尋ねられてルーベンを選んだという。

ブリュッセルに来たばかりのわたしたちと数年ぶりに会いたかったからなんだって。

うれしいねえ。

今度はぜひ一家で遊びにきてね、狭いけど一部屋用意してあるから!と、しつこく約束して別れた。

彼女のまだ幼い娘ちゃんは、わたしたちのことをちゃんと覚えていて、再会を楽しみにしてくれてるっていうんだから嬉しいわねえ。

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