金曜の夕方、ひとびとが週末の安らぎ目指してまっしぐらの時間に引っ越しをした。
スーツケース4個、旅行鞄・リュックサック類8個、段ボール箱3個、手提げ袋5個をバンに積み込んでホテルを出発。
あ、ペニーも忘れず連れてきたよ。
アパートに到着するなりトラブル発生。
渡されていた鍵では敷地に入るための鉄扉が開かず、玄関前にバンを横づけすることができない。
「どないなっとんねん」と役所の総務に電話したらバイクに乗った兄ちゃんが駆けつけてきてすったもんだしたものの、鉄扉は開かず、わたしたちは路上のバンから奥まったところにある玄関までえんやら荷物を運ぶしかなく、予定にはない汗をかくことに。
鍵は1ヶ月前には有効だったのが、いつの間にか新しいシステムに変更されていたとかナントカカントカ兄ちゃんは言い訳していたが、ベルギー人の仕事というのはこういう感じなのか。
幸いにして部屋の鍵には変更がなく、入り込むことができた。
サッカー場ほど広くはないが、卓球台ならふたつ置けるかな。
実際の面積より広く感じるのは、天井が高いからだろう。測ってみたら3メートルあった。
このゆったり感を尻目に、妻は焦りまくっていた。
えらいひとの来訪が目前にせまり、現地の下っ端として準備に奔走中ところ、引越しには借主として立ち会わないとまずい(現に敷地に入れません事件発生した)ので職場から抜けてきたものの、やいのやいのと電話が来て忙殺されていた。
荷物を放り込み、頭痛を抑えるためのカフェイン(今回は冷たいコーラ)をきゅーっと吸い込んだらバタバタと去っていった。
ごくろさんす。
着任してすぐ、右も左もわからないなか、政府の出先機関としては最大級のイベントってのはしんどい展開だが、初打席がこれだったら後はどんなボールが来ても大丈夫だろう。
というようなことを22時すぎに帰宅した妻に話したら、うつろな目でうなずいていた。
ここで重大な事実を明かす。
この家にはエアコンがない。
暖房は壁際のパネルヒーターがあるが、冷やすほうがないのだ。
北ヨーロッパでは住居にエアコンがないのは普通のことだが、近年は異常気象による猛暑(パリで40℃超とか)が珍しくなく、もともと暑がりなわたしが今夏来夏を生き伸びることができるかどうか懸念する声が専門家から相次いでいる。
その心配は別として、6月のいま、窓を開けて通す風の気持ちよさといったら。
ダッカでは大気汚染と蚊のせいで窓開けなんてあり得なかったから、たったこれだけでどえらいまともな暮らしをしている気がして。
窓を開けたぶん、街のガヤ音が入り込んできて、都市との一体感みたいなものを感じることもできる。
エアコンつけて窓を閉めきることが不自然ともいうわけだが。
その意味ではまずまずの気分で始まった新生活だが、越してきたエリアにはいささかの問題があり、ひとから「よく気をつけろ」と言われている。
じっさい来てすぐにヤヴァイ雰囲気を感じている。
それについてはあらためて。
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