バンちゃんが言ってたことで「そうなんだよな~」と深くうなずく点があった。
彼は最近、夫のアメちゃんから知り合いのバングラ系アメリカ人との会食を熱心に勧められているのだが、なかなかその気になれないという。
会う場合は自分のステータス(アメちゃんとの同性婚)を明示することになるのだが、そのことを相手からどう思われるかが不安なのだ。
根っからの楽天家であるアメちゃんは、相手は生まれはバングラデシュだがアメリカに移民して何十年もたっており、弁護士という職業柄からしても人権に敏感でリベラルであるにちがいないからへーきへーきと言っている。
そりゃそうだろうとは思うけど・・・と表情を曇らせるバンちゃん。
「あのね、アジア人ってのはなかなか本音を言わないひとたちなの」
だから弁護士先生はバンちゃんの前では同性婚に理解を示したとしても、本音がどうかはわからない。いくらアメリカが長くても、バングラデシュ文化の影響を受けたひとが心のわだかまりゼロで向き合ってくれるものかどうか。腹のなかで「ふん、キモイやつ」とか思われてるんだったらバンちゃんつらすぎ。
そんな心配をしていた。
アジア人の二重性(本音と建て前の使い分け)についてバンちゃんはアメちゃんに繰り返し説明してきたし、アメちゃん自身も海外が長いから「それぐらいはわかってるよ」というのだが、そこはやっぱりアメリカ人だし、加えてスヂガネ入りの楽天家だしで、ちゃんと理解しているかどうか、わたしから見ても少々あやしい感じがした。
まあその問題については夫婦でじっくり話し合っていただくとして、話を聞きながらわたしが考えていたのは自分自身のことだった。
日本でサラリーマンをしていたとき、わたしの前では「白」と発言していたひとが、別のところでは「黒」だと言っていることを知って驚いたことが何度かある。
本音をまったく隠しながら会話するという行為が衝撃的だった。
自分にはそういう芸当が不可能で、だけどまるっきりのバカでもない(と思っていた)から、エライひとの前でデリケートな問題について話すときはそれなりの計算で微妙に言い換えるなどの工夫はするが、基本は本音をズパズバ言っちゃうほうだった。
人間のコミュニケーションというのは、互いに本音を見せ合うことが一番の早道だと考えていたからだ。
だが周囲はそうでもないことに、だんだんと気付いていく。
多くのひとが、うっかり本音を見せてしまうと「うまくいかなくなる」と思っているようだった。
とくに職場でエラくなるタイプのひとは、本音を隠して立ち回る傾向が強かった。
そういう連中から見たら、わたしなんて単純バカだったにちがいない。
実際そうともいえた。
わたしは幼いころからADHDテイストが強く、小学校の通信簿には「落ち着きがない」と繰り返し書かれ、中学高校に上がっても落ち着いて勉強することができず、受験勉強なんてろくすっぽしないまま(何やら怪しげなことをノートに書き連ねたりしていた)卒業してしまったやつであり、雰囲気読まないアスペ風味もけっこう強いと思う。
だから本音を隠すことが不得意なんだが、別にエラくなりたいと思ってないし、バカと思われるならそれは相対的にはその通りなんだろうから仕方ない。
でもなんだか生きづらいな・・・
という思いが堆積し、日本にいることが息苦しくなっていたかもしれない。
脱サラ&渡米した理由のひとつだと思う。
その点アメリカはうらやましい。アスペやらADHDやらのひとたちが日本ほどには委縮しなくてもいいぶん、ポジティブなことがたくさん起きているから。
ペニーは毎日元気そのもので、減量もポジティブに推移している。
本日の計量では6.53kg(減量開始から約700グラム減)を記録。
ふと思ったんだけど、自分がわんこを好きなのは、この子たちがめっちゃ正直だから?
二重性とか無縁なのが心のやすらぎ?
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。