Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

続・荒れるアメリカを生き抜く

地域によっては暴力が日常化しているアメリカで、できれば安全に暮らしたい。

ちかごろはアジア人に対するヘイトクライムが頻発し、各地で死傷者が出ている。

こうなると街ゆくひとのすべてが潜在的な加害者にすら思えてきて、落ち着かない気分の日本人も少なくないのでは。

この問題についてアメリカ市民がどう思っているのかについて調べた動画が話題になっている。

日本人を名乗る青年が通行人にものを尋ねているところへ、中国人ヘイトなおっさんが「コロナばい菌野郎、アメリカから出ていけ」とからんでくる仕掛けに、市民はどう反応するのか・・・ 

【日本語字幕を出す場合、画面下部の四角いボタンを押す】

 

実験でどれだけのアメリカ人がポジティブな反応を見せたのかは不明だし、こういうのは地域や年齢によっても変わってくるから、この動画をもって「アメリカはまとも」と断ずることはできないが、心に残るリアクションはあった。

だから人間を信じたい。

それと、ヘイトおやじ役を引き受けてくれたアイザックさんに多大な敬意を表したい。この動画を見て「こいつヘイト野郎」と思い込んだ阿呆から攻撃されるリスクは馬鹿にならないからだ。

だから人間は恐ろしい。

 

わたし自身のことでいえば、外出時にはそれなりに気を張っている。

周囲の動きに目を配り、とくに背後から人が来ていないか注意する。いきなり後ろから突き飛ばされて亡くなった被害者の動画は衝撃的だった。

たいていのヘイト犯は弱虫ヘタレ野郎で、明らかに反撃力の弱そうな女性や高齢者を狙うから、わたしは努めてマッチョな歩き方をしている。大股で膝をしっかり上げながらグイグイ歩いていれば、マスクと帽子のカモフラージュ効果にも助けられ、元気な成人男子に見えるだろう(いやちょっと待てオレ元気な成人男子だぞオーバー60だけど)。

 

それでも攻撃されたらどうするか。

A)全力で逃げる

B)ダッカ赴任の前に合宿訓練で伝授された護身術で亀のように身を守る

C)護身術に含まれる反撃(肘打ち・膝打ちなど)を繰り出す

反撃は致命的な被害のリスクを上昇させはするが、場合によってはやむを得ず・・・

という思考というか覚悟を頭のなかで繰り返しながら歩いている。

大袈裟と思われるかもしれないが、気を付けておいて損はないというのが今のアメリカだと思う。

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背後から突き飛ばされる91歳の男性

ところで、アジア系へのヘイトクライムの犯人は、これまでのところアフリカ系が目立ち、その理由をかれらがアジア系から仕事を奪われてきた(と信じている)歴史に見る向きもあるが、原因はさておき善良なアフリカ系市民は、このことにずいぶん心を痛めている様子。

というのは、先日妻が病院へ行ったとき「普段と比べて異様なほど優しくされた」から。

DCエリアの医療機関は、おそらく政策誘導によるものだろう、検査助手や事務員などスタッフの大半を黒人が占めている。

で、ちょっとめんどくさい検査に行った妻は7~8人のスタッフと言葉を交わす機会があったのだが、そのときの言葉のかけられ方が同情といたわりに満ちたものだったという。

「あなたお気の毒に毎日不安でしょ?がんばってね・・・」という気持ちが声音にたっぷり含まれていたらしい。

わかってますって。〇〇系だからといってみんなが同じじゃないことくらいわかってますって・・・

 

つくづく思う。こうした事態を招いたのは、差別主義者であることを公然と口にする人物をあろうことか大統領の椅子にまで押し上げたアメリカの選択だ。アメリカ内部に相互ヘイトをまき散らし、コロナを利用して中国ヘイトをまき散らしたトランプの罪は計り知れない。

荒れるアメリカでの滞在は6週間たらずの予定だが、そのあとヨーロッパへ行ったからといってアジア人としてのリスクから逃れられるわけではないだろう。

超大国のリーダーが世界にばら撒いたヘイトの種は、これからも発芽し続けるにちがいない。 

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