Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

でっかくて健康な男が

アメリカに来るたび ドアが重い~

まずドアノブが固く、嘘みたいな力でないと回らないことがある。

ドアの押し引きにも渾身の力を振り絞ることが多い。

個人宅は別として、アメリカの公共的な建物は概してドアの通過が拷問になりがち。

高齢者、子供、女性、からだに障害のあるひと、怪我人、みんな苦労しているはずだ。わたし自身、今は左手首の故障に加えて右肩を痛めており、ドアにはよほど慎重に力をかけなければズキィッとなることが多い。

要するにアメリカのドアは、弱者向けのつくりになっていない。これらを設計製造しているのは、でっかい体をした健康な男性たちにちがいない。

同じく各種の瓶やペットボトル、ビニールやプラスチック容器、段ボール箱など、「開ける」動作をともなうものはなんでも鬼のように固く、日々の生活をじわじわと苦しいものにさせている。

ついでにいえば食品の説明書きなどの活字も点にしか見えないほど小さいことが多く、老眼や遠視のひとたちを堂々と拒否している感じ。

高齢化いちじるしい日本では年寄りへの配慮が社会の隅々に行き渡ろうとしており、それとともに「肉体弱者」への配慮へも進んでいる。だが平均年齢が若いアメリカでは、年寄りを大事にしましょうなんていうひとがいても、それは単なる口先の話であり、モノの作り方に関していえば肉体弱者への配慮は圧倒的に不足している。

そういう仕事をするでっかくて健康な男たちの姿を思い浮かべつつ、悔しいけど肉体弱者になるつつあるわたしは、半べそ状態でゴミ収集室のドアに手をかけ、痛みに耐えながらノブを回し、それ以上の負担がかからぬよう無理な姿勢でドアを開けたとたん抱えていたゴミやリサイクル品を床に落っことし、悪態をつき、ダストシュートの蓋がこれまた固いのに閉口しながらようやく事を済ませている。

アメリカは年とったら住む場所じゃねえと多くのひとがいう理由は、医療制度にかぎったことじゃない。いつ銃乱射に巻き込まれるかわからないって問題もアルシナ。

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