ビエンチャン市内のメルセデスベンツのディーラーのすぐ近所で、中華BEVが全焼した。
動画にはバチン!ババン!という爆発音とともに車体下部から炎が噴き出す様子がはっきりと映っていた。床の下にはバッテリーが敷き詰められており、おそらくそれが火元だろう。
今の技術では(そして特に中華製は)バッテリーの異常加熱や爆発の防止はハードルが高く、世界中で問題になっている。
海外旅行や引越しの荷物から一斉にリチウムイオン電池が排除されたのも異常発熱や破裂事故を繰り返してきた粗悪な中華バッテリーが主な原因。
民族的な偏見につながる表現は差し控えるべきだが、わたしたちの生活を守るために書いておくと、今のところ中国人には「よいモノをつくる」という経済活動上の責任感や美意識といったものが希薄で、儲かりさえすれば手段は択ばない傾向が強いと考えて差し支えないだろう。
それは民間企業だけではない。中国政府はあらゆる業種で世界のマーケットを奪うことを目的に、補助金を企業にダイレクトにぶっこむ産業保護政策を過去30年あまりにわたって続けており、これはWTOが明確に禁じているルール違反。
WTOは2001年に中国の加盟を認めたとき、中国を国際ルールの土俵の上に引き上げれば 公正な貿易をするようになるだろう❤ と期待していたわけだが、それは見事に裏切られ、傲岸不遜な中国式は今でも変わっていない。最近では習近平と会談した仏マクロン大統領とEUフォンデアライエン議長が中国のルール違反について厳しく指摘したが、キンペーにとってはカエルの面に水だったね。
そういうわけで、国家ぐるみで不正なビジネスを推し進める中国がいる以上、バッテリーが粗悪だろうが路上で爆発炎上しようが安い電気自動車はこれからもっと増えていくだろう。そのことを日本で感じることはまずないと思うが、東南アジアでもヨーロッパでも中華BEVの普及はすさまじいよ。
個人的には電気自動車はまだ「買い」じゃないと思っている。爆発しにくいタイプのやつを買ったとしても、ガソリン車よりも車体が重いぶんタイヤとブレーキの減りが早いとか、バッテリーの劣化のせいで下取り価格が安いとか、経済的に見合わない要素が多いと感じるからだ(この不都合な真実はじわじわと知られるようになってきたが、各国の政策が公式的には電気自動車推しであることが影響してか、大声で語られることは少ない)。
耐久性の問題もある。日本車のエンジン車は、20年でも30年でも走れる耐久性ゆえ世界中で愛されており、短期間で下取りに出してもよし、長く乗ってもよし。一方で新興技術である電気自動車はまだ海のものとも山のものとも知れない。
だから日本の自動車メーカーの今後に期待!といいたいわけだが、最近のニュースで心底ひやっとさせられた。
「日本の昨年度の経常収支は、過去最大の黒字額を達成」というのだが、そうなった主な理由は自動車の輸出が伸びたことらしい。
複雑な背景のある話だから、これだけを聞いてすべてを判断するのは愚だが、それにしてもさ、日本経済は自動車産業がコケたら終わり?っていう気がしてきて落ち着かない。
トヨタをはじめとする日本メーカーが業界再編の嵐を乗り越えて生き残ることを切に願ってはいるが、そもそもクルマ頼みの一本足打法はしんどい。あまりにもしんどい。
かといって今後の日本の食い扶持になるような有望分野があるわけでもなく、なんだかもうせつないばかりだねえ。だれか元気の出る話をしてくれないかなあ。大谷翔平ネタぐらいあなあ・・・
ペニーとの再会まで2週間。
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。