もはや途上国などと呼んでは失礼な豊かさ。
最近日本のテレビを観ていると、インバウンド客が派手に金を使うネタが頻繁に放送される。
高額なアクセサリーをタイやフィリピンなどからのお客さんが買いまくっているらしい。
日本じゃサラリーマンの平均年収が400万円台だってのに、これはいったいどうしたことか。
スーツケースいっぱい買ってどーすんだ?お国に持ち帰れば倍額でも飛ぶように売れるとか?!
こういうのを見てると、やっぱり凹むとこあるよね。こうして日本は二等国家へ転落していくのか、イヤすでにそうなってる・・・? と思いがちなんだけどさ、今回京都を歩きながら考えたことがある。それは鴨川を見下ろして立ったときのこと。
都市河川とは信じられないほど水が澄んでいる。高度経済成長により汚れた時期もあったが、下水道の整備など数十年にわたるインフラ整備が実を結び、美しい水が復活した。
河川敷の遊歩道を歩いても、ゴミひとつ落ちていないのは、美しい川、美しい街を維持したいという京都人の心意気の表れだろうか。
一方で、1000万円のネックレスを爆買いするひとたちの国、たとえば東南アジアの「優等生」といわれてきたタイはどうか。首都バンコクには大規模な貧民街があり、高速道路の下を流れる川にこぼれ落ちそうな小屋が並んでいる。川の水はどっぷりと濁って動かず、悪臭は耐えがたい。
未熟なインフラ、劣悪な都市環境、巨大な貧富の差。そのことを思い起こしながら京都の優れた都市環境を見ると、日本には 分厚い富の蓄積 があることに今さらながら気づくのである。
富の蓄積は街にも人々の心にもある。日本人が一所懸命にはたらき、積み立ててきた財産には、言葉では尽くせぬほどの重みがある。人口が減ろうが、経済規模が縮小しようが、二等国家と揶揄されるときが来ようが、わたしたちが達成してきた極めて平均点の高い暮らしが容易に崩れ去ることはないだろう。
そうした豊かさ、美しさあればこそ、日本を訪れた世界のひとびとは安心して楽しんでくれる。いくらメシが美味くても、環境が悪かったら心の底から楽しめないよね。だからさ、宝石爆売れみたいな番組を観てもそんなに凹むこたぁないよってのが本日のお題。
インバウンドブームに乗っかって稼ぐ民泊屋の鼻歌に聞こえちゃったのなら謝るけど(意外と高コストな商売でタイヘンだけどね~)。
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