ケチな自分としては思い切ってみた。土蔵に除湿器を入れた。
実家の土蔵は湿気が長年の課題で、近年は100万円ほどかけて防湿工事を敢行したが、期待したほどの効果はなかった。
建築屋さんなどの見解を伺うに、土蔵の地面が低くなったことが原因らしい。周囲の土地は時代を重ねるうち、家の建て替えにともなう整地や舗装のせいで徐々に高く盛り上がってきた一方、手つかずの土蔵の地面は相対的に低下した。
低い土地には水が溜まる。雨が降るたび土蔵の下に水が集まってきて、内部に慢性的な湿気をもたらしているらしい。
実はこの推定は防湿工事の前からされていたもので、対応策がないわけではなかった。
A)土蔵の周囲に溝を掘り、そこに埋めこんだパイプに水を集める「雨水浸透マス」方式。たいへん有効な方式だが、うちの土蔵の立地条件からして工事は不可能。
B)土蔵にエアコンを設置。室外機へとつながるパイプ穴を開ける必要があるが、文化財的な建物にそれをやる度胸がなかった。
そういうわけで最も消極的な対症療法として防湿剤を入れたわけだが、湿気を吸収しきれない期間が長く、収蔵物がカビっぽくなることを止められなかった。
いろいろ悩むなか、開業した民泊から土蔵の維持費をひねり出すこともできるようになったのを見て、エイヤっと除湿器を導入。一般的な家庭用と比べて高いが、気温にかかわらず年間を通して性能を発揮するスグレモノだという。
えっ、だけど排水パイプを外に出す必要あるでしょ?穴開けるの?
と眉が吊り上がったあなた、ご明察!
ちゃんと対策しましたぜ。
排水パイプ(通常の太さのホース)に細工をして、極細パイプにつなぎ、それを土蔵の扉の狭あ~い隙間から外に出すことに。
このプロジェクトの要(かなめ)は真ん中の円錐形のパーツ。防水工事などに使うノズルをホムセンで手に入れ、その両端にホースをつなげ、接着剤で固め、水道屋さんが使う防水テープでぐるぐる巻き、最後にビニールテープでがっちがちに固めてみた。
とはいえ素人の作だからホース継ぎ目からの水漏れが心配。大きめのプラスチック容器を置いて万がイチ(十がイチ?)に備えた。
あれから2週間あまりが経ち、土蔵扉の隙間から出したパイプからはじわじわと水がしみ出し続けているとのこと。ひとまず安心しながら見守っていこうと思う。
土蔵と収蔵物の保守は、財産分与という点では拙者に責任はないのだが、いろいろあってすべて引き受けている。だからなかなかシネナイ(笑)
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