災害は時を選ばずにやってくるものだが、それにしても元日の大地震とは。
津波警報が次々に発表され、地震警報のアラーム音が鳴り響くなか、ＮＨＫのアナウンサーが叫ぶようにして避難を呼びかけていた。
なんだこいつ大騒ぎしやがってと思った視聴者もいるだろうが、危険な地域にいるすべてのひとたちに避難を決意させるには、最低でもこれくらいやる必要があると思う。
東日本大震災の反省から、テレビ局では様々な準備がなされてきた。素早く的確な情勢伝達だけでなく、一刻も早い避難を実現するため、テレビは何をすればいいのか。その工夫が今回の画面にもよく表れていた。外国人にもすぐわかるような平仮名や英語の字幕。「今すぐ高い場所に向けて避難！決して後戻りしてはいけない！」という絶叫調の呼びかけを、アナウンサーたちは繰り返しトレーニングしてきたはず。今回、元日のニュース当番に入っていた山内泉アナウンサーは金沢局の勤務経験があるだけに呼びかけに気魄がこもっていたと想像するが、実際にはどのアナウンサーが入っても同じレベルの呼びかけをしただろう。ＮＨＫでは日頃から災害報道の大がかりな訓練を行っているが、今回はその成果がちゃんと出ていたように思う。
ひとつ惜しかったのは、津波の「到達」という表示で、これを見た視聴者のほとんどが「津波終了」と思ってしまうこと。実際には第二派、第三派と繰り返すにつれ波が高くなることをアナウンサーが説明してはいたが、字幕については「第一波到達」「第二波以降に注意！」といった具合に改善すべきだろう。今回もちゃんと反省して、よりよい災害報道を実現してください。
被災地のあちこちから火の手が上がり、消防に連絡しようにも電話が通じない地域があると聞かされながら、正月を祝う気分は朝のお雑煮のときの１００％から１％くらいまでしぼんでしまった。それでも鶏鍋をつくり、日本から持ち帰った大吟醸酒をちびりちびり。
美味しいんだけどね、なんか酔えない。海外にいてこんなことしてられる有難味と、震災で同胞が直面している苦しみが混ざり合って、落ち着かない。それもあって日本酒のあとウォッカをやってしまい、寝るときちょっと胃にきてた。
しんどいスタートになっちゃったけど、元気を出して進んでいきたいね。
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