今後の日本は中国にどこまでヤラれるのか。
ビエンチャンの自宅から空港までタクシーに乗ったら、電気自動車だった。ラオスには中国製のEVがうようよしているから、驚くにはあたらない。
そりゃEVだから静かではあった。モーターはね。でもドアや窓の防音性能が低く、すぐ横を走っていくバイクの音がはっきり聞こえる。ああ安物やなあと。
もうひとつ、道路の穴や段差を踏んだときビターン!という大きな音がして、そのあたりクルマとしての質感は軽トラック並みと感じた。
わたしは今を時めくテスラには乗ったことがあるが、中華EVは初めてだったので、なんだこんなもんかと拍子抜けした。だが後でググってみたら、ちょっと話が違ってきた。
このクルマを製造する Hozon というメーカーは、低価格帯で勝負しているというのだ。とにかくお金のかからない電気自動車がほしいという層にアピールして、安い車体を売るだけでなく、中国全土に設置した充電器を無料で使えるようにするなどして、どんどん売り上げを伸ばしてるんだって。
それにしてもこんなに質感が低いクルマ、日本メーカーのひとたちが乗ったら「ふふん」と唇をゆがめるんじゃないか。俺たちはこんなクルマづくりはしてこなかったし、これからもしないと。だけどさ、安くて新しいものに消費者はどんどん飛びつく。中華EVなんて日本人は買わないが、これが欲しくて欲しくてたまらないひとがゴマンいや何億人もいるにちがいない。
EV販売で大きく遅れている日本車について、トヨタが全個体電池さえ実用化させれば形勢は大逆転!との期待の声も聞こえてくるが、電池性能の差だけでそんなにクルマが売れるようになるのだろうか。世界では中華製の安いEVが飛ぶように売れており、クルマ販売の文法はすでに変わってしまったのではないか。
日本の基幹産業であるクルマづくりが中国の「ぽっと出」メーカーにやられてしまったら、日本経済はほんとにヤバイと思う。だからわたしも全個体電池がうんぬんとかいうEVネタを目にするたび、気になってしかたない。なおビエンチャン空港まで20分の料金は9ドルであった。
妻からは連日ペニーとべたべたする様子が送られてくる。たまらんわね、こういうの見ると。
くそっ。
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