ビエンチャンは不思議なところで、豪邸とバラックが入り混じって建っている。
たとえば我が家は米政府が地元の大家さんから借りている借家で、とにかく大きくて立派。ラオス的にはかなりのお金持ちじゃないと住めないだろう。そんな家から隣地を見下ろすと、波トタン屋根の小屋が。
最初は作業小屋か何かだと思っていたところ、中年の夫婦が暮らす住宅らしい。ろくに窓もない建物で室内は暗く風通しが悪いのだろう、いつも軒下にいて調理したりメシ食ったりのアウトドアライフを送っている。敷地は我が家と同じくらいで広く、東京だったらそれだけで数億円しそうだが、バラック以外には何もなく、なんとなく木が生えているだけ。究極の贅沢ともいえる。
こうした「豪邸の隣は掘っ立て小屋」現象がビエンチャンのいたるところで見られるのはなぜか。社会主義のせいかもしれない。ラオスの土地はすべて国有で、そこに住んだり事業を興したりする個人・企業は土地を国からリースする(中国も同じ)。だから日本やアメリカのように、何かのきっかけで豪邸が立ち始めると地価が上がってお金持ちタウンになるとかいう現象は起きないんじゃないか。
ラオスは平等な社会なのか。ひとりあたりの国内総生産2500ドルというこの国にもベンツやフェラーリを乗りまわす層があり、あれはどういうカラクリによるものか。まあ人間社会ってそういうものだからね。
一方で、社会主義国「らしさ」かもしれないのは、物乞いするひとをあまり見ないこと。ボロを着たホームレスぽい男性をひとり見かけた。あとは市場の片隅に座り込んだ手足の不自由が女性がふたり(身なりは割とまとも)、小さな竹籠で現金の喜捨を受けていたくらい。欧米のホームレスだらけの地域から来ると、少しほっとする。ただし物乞いの少なさは、社会保障政策ではなく、仏教寺院などによるセーフティネットが機能しているという可能性もある。
そういえば庭師Tさんが何やら工作を始めたので、出来上がったらリポートするわな。
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