ラオスへの引越しで悩みのタネになったのはホームセンターだった。どういう店があるのか、品揃えはどうなのか、ホムセングッズについて満足のいく情報が渡航前に得られず、どこまでアメリカで調達して送るべきかについて悩んだ。
ラオスのホムセン事情を想像するうえで基準にしたのが、国民ひとり当たりのGDPがラオスとほぼ同じ(約2600ドル)のバングラデシュだった。首都ダッカでは、いくら探し回ってもホムセンなんてものは存在せず、あるのは伝統的な市場の荒物屋ぐらいだった。
商品は中国製の安物ばかりで、モップやバケツを買うにはこれで結構だが、簡単な家具や工具などホムセンぽいものを探すのには実に骨が折れた。
ところがラオスに来てみたらホムセンというものが存在しており、それだけでも十分に驚きだった。
巨大なショップにおっかなびっくり入ってみると、その明るさと品揃えの充実ぶりは日本とたいして変わらない。
たとえば引き出し式の衣装ケースは27ドルで、日本で買うのと同じくらいの値段。一般のラオス市民にとっては高根の花だが、こういうものがスルッと手に入ることはたいへん有難い。
仮に同じものがダッカの市場にあったとしても、大気にたっぷり含まれる煤(すす)状の汚染物質がべっとりとついており、そもそも使う気がしなかったりする。ダッカにお住まいの方々のご苦労が思い出されて胸が痛い。
ビエンチャンのホムセンでは一流品もさらりと売られていた。DeWALT は北米で一番人気の工具ブランドで、値段もそれなりに張る。
じゃがおのおのがた、ご心配召さるな!日本のブランドも頑張ってるぞ。世界の Makita のロゴが目に染みる。うちは RYOBI だけどね。
ここで Makita のコードレス工具をラオスに持ち込む皆さんにお知らせ。18Vでよければバッテリー売ってますよ。リチウムイオン電池についてはわたしたちもさんざん悩まされたけど、現地で買えるってのは強いねえ。
そういうわけで先進国と大きく違わない品揃えをほこるラオスのホムセンだが、冒頭述べたように国民所得が変わらないバングラデシュとのこの落差はいったいどうしたことか。隣国は東南アジアの優等生タイで、そこから豊かな物資が流れ込みやすいという地の利は理解できるが、品物が来ても売れなければビジネスにならないわけで、ラオスのこの購買力はいったいどこから来たものか。今んとこさっぱり理解不能。
このホムセンで商品以外に目を引いたのは、従業員の人数。やたらにいる。仕事しているひともいるが、ぞろぞろ群れて楽しそうに雑談する姿も。
ユルい仕事ぶりがちと羨ましくもあるが、きっと給料は安いんだろなあ。それでも道ばたの屋台で蠅を追いながら野菜や串焼きを売る仕事よりは楽ってことか。
そうだよペニーさん、人間もいろいろたいへんなんだよ。
以上がホムセン偵察リポート。こんど妻とゆっくり行って買い物することになると思う。足を傷めてびっこ引いているので、しばらくは無理かもしれんけど。
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