Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

増築しまくってゴミ屋敷に

ハンカチで鼻口を押さえながら読むような内容じゃないのでご安心を。

転勤を控えた妻は転勤の手続きと通常業務を同時に進めているわけだが、ただいま省内のシステムの大部分がダウンしており、仕事進まねぇ~状態に陥っている。

システムは基幹業務系だけでも仕事の種類や機密のグレードによって何種類かに分かれており、それとは別に人事・総務などのサポート系のシステムがあるわけだが、それらのある部分は互いに連携している一方で、他は独立しており、そのくせシステムをまたがって同時に処理しなくてはならん仕事が多く、まさにジャグリング状態。

こうなった理由は、システムの「建て増し」を繰り返してきたから。70年代に業務のコンピュータ化が加速し、90年代には職員ひとり一台のパソコンを使うようになり、システムは当初に想像していた規模をはるかに超えて巨大化してきた。その過程で、

「台所がもうひとつ必要になったけどスペースがないので物干し台の上につくろう」

「お父さんはどうしてもDIY部屋が欲しいので、地下に穴を掘って

みたいな感じで増築に次ぐ増築が繰り返されてきたわけだが、物干し台にこしらえた台所は床がぐらぐらでコンロから鍋が転がり落ちる、地下のDIY部屋は湿気がすごくてカビだらけ、地上へ昇る階段が腐っていて出入りが危なくなったみたいな問題が次々に起きてきた。

最大の原因はお金がないこと。その都度システムを増築するのではなく、すべての用途を盛り込んだ新システムを「新築」すればこんなことにはならなかったはずだが、圧倒的な予算不足のため、その場しのぎの増築に頼ってきた。

きょう現在のシステムダウンはわけても広範かつ重症らしく、副大臣クラスから全職員にメールが来た。ほんとかどうか知らないが、今回のダウンは予定されたものだという。副大臣おっしゃるとおり、計画どおりのメンテナンスでシステムの一部を止めただけなのかもしれないが、その影響が予想外の範囲まで広がったのだろう。物干し台の台所を点検するため作業員が立ち入ったら床が抜けて落下 → 1階屋根も突き破った勢いで地下のDIY部屋まで落下 → ついでに上下水道管や電力配線をめちゃめちゃに破壊したみたいな。

そういうわけでこのポンコツシステム、わたしの頭の中では増築に増築を重ねて玄関がどこにあるのかもわからなくなったゴミ屋敷というイメージが定着している。これを解決できるのは米政府のシステム化で巨億の富を築いたビル・ゲイツ氏が国家への最後の御奉公として大枚をはたき、ぴかぴかの「新築」をぶっ建てる以外に方法はないと思っている。

それまでは「また落ちたああああ」と叫んで頭をかかえる妻の姿を繰り返し目撃することになるだろう。いや笑いごっちゃなくて。

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