Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

鳥肌モンの演奏会(音楽の都ザルツブルク)

オーストリア旅行のハイライト、ザルツブルクにやって参りました!

神童の名をほしいままにしたモーツァルトが生まれ育った音楽の都。

そのことを痛感させてくれるのは、路地にこぼれ出るピアノの音色とかではなく、レストラン・菓子屋・土産物屋の店先でセールスにはげむヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト様のお姿。

おいら自身はモーツァルトってそんなにファンじゃないので「けがしおって!」みたいな思いはないが、ちょっと気の毒ではある。

ザルツブルクでの音楽体験は、とにかく旧市街のインフォメーションセンターへ。

各種のコンサート情報が揃っているので、これといったお目当てがない方でも、よさげなやつを見つけて聞きに行ってみよう。

オンラインで買えるチケットもあるが、案内所から電話してもらって席を確保というパターンのほうが安心できるかも。支払いも原則としてここでできると思う。

最初に行ったのは、ごく小規模なコンサートだった。

会場のホテルに着き・・・

 

渋い階段をのぼっていくと・・・

天井の木組みが美しいパーティールームみたいなところに30脚ほどの椅子。これならうちの居間と変わらんやんけなどとうそぶきながら演者を待つ。

そこにバイオリンをたずさえて登場したのは、学生か卒業したてに見える兄ちゃん。モーツァルトを数曲を披露してくれた。実に丁寧にひいてはいたが、未熟なせいか楽器が安いせいか音にパワーが足りず、もしもソリストを目指すのなら相当がんばらにゃあかんねーな感じ。

そこで気づいたんだが、ザルツブルクにはこうした若手にお金を投じて(今回は@20ユーロちょっと)実戦の演奏経験をじゃんじゃん積ませる伝統があるんじゃないか。場数を踏むことで得られるものは大きいだろう。だとすれば、事情のわからぬまま買ったチケットとはいえ、若手を育成するオトナの側に立てたみたいでちょっと嬉しかった。この街ならではの経験だと思う。

翌日は、ザルツブルク大聖堂のオルガンコンサート。

オルガンの音色は好きだけど、あんまり長時間だと眠くなるんだよなーなどとほざきながら入ってみたら、けっこうえらいことになっていた。

下の写真に写っているだけでも4台のオルガンが鎮座している。

演奏者は1曲ごとにオルガンを替え、そのたび楽譜を抱えてぱたぱた歩き回るところが面白かった。

なおオルガンは合わせて7台あり、それぞれに音色がまったく違う。軽やかで童話っぽいのがあれば、重厚な響きもあり。曲は宗教音楽のみならずクラシックの名曲をオルガン用にアレンジしたものもあって飽きさせない。

最後にぶっ飛んだのは、わたしたちの背後にある最大のオルガンが鳴ったとき。

高いところにあるから大きく見えないが、他のオルガンの3倍くらいのサイズだったと思う。

そして音がすごい。金管楽器ばりの張りのある音がわんわんと響き渡り、さながらフル編成のブラスバンド

 
 
 
 
 
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このオルガンコンサート(@6ユーロ)は是非おすすめしておきたい。

以上はお手軽系のコンサート。最後に、さすがはザルツブルク!という演奏会をご紹介。

午後8時前、Mirabell Palace ミラベル宮殿の壮麗なる石段をのぼっていく。

そこにあったのは「大理石の間」。ここでモーツァルトも演奏したという。ぎっしりと椅子が並べられ、200人ほども座れるだろうか。

むかしは宮殿の主だけが出入りを許されたにちがいない重々しいドアが開き、奏者が入ってくる。

それは女性バイオリニストを中心とする弦楽アンサンブルで、第二バイオリンやチェロの入った曲からソロ曲まで多彩な演目が用意されていた。

かなりハイレベルな演奏に思わず聴き入ってしまったのだが、圧巻は「ツィゴイネルワイゼン」だった。ご存じ、ジプシー(ロマ)音楽の哀感と熱情が嵐のように展開する、超絶技巧の難曲(音が出ます)

奏者のキム・ウォンジはこれを完璧に弾きこなすことはもちろん、わたしがこれまでに耳にしたことのない表現を凝らしていた。多くのバイオリニストがイケイケで盛り上げる聞かせどころのフレーズ(ほんの1~2小節)を、逆に抑えめにすることにより、続くフレーズの歌い上げがぐっと艶をおびる。

押しまくるだけではない「引き算」のような演奏は、東アジア人独特の美学によるものか。ざわざわっと、鳥肌立ちました。

韓国ソウル生まれのキム・ウォンジは若きソリストとして国際的に活躍したあと、世界最高峰の音楽大学ウィーン国立音楽大学で教鞭をとり、現在はザルツブルク・モーツァルテウム大学の教授。実力は第一級といっていいだろう。

その演奏に「ブラボー!」が降り注いだ

このクラスの演奏会が毎日あちこちの会場で行われ、ハシゴしたけりゃいくらでもという街が世界にどれくらいあるだろう。「音楽の都」という呼び名の意味合いがじわ~っと沁みてくる晩であった(@42ユーロ)。

ピンク色に上気したほっぺをして外に出れば、そこはあの「サウンドオブミュージック」の撮影地として知られるミラベル庭園。

ご存じだよね?あの映画はザルツブルクで撮影されたってこと。モーツァルトにさほどの興味がないわたしなんざ、「サウンドオブミュージック・ツアー」のほうが楽しみでしょうがなくてさ。

ツアーといったってロケ地をバスでまわるだけのことなんだが、そのツアーには「サウンドオブ」ファンにはたまらない快楽が仕込まれておるのでな。

それについてはまたの機会にな。

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