ペニーと一緒に出発した列車旅は、楽しいハンブルク滞在のあと遥かに南下し、オーストリアをめざす。
ヨーロッパの田園風景っていいよね。
一面の農地にテーマパークのように見栄えする集落が点在し、いつか住んでみたいと思う。
ハンブルクからザルツブルクまでは電車で8時間前後かかるうえ、出発が午後遅くだったこともあり、わたしたちは目的地直前のミュヘンに一泊、翌朝ようやく国境を越えた。
アルプスが見えてきたぞい!
と山好きのわたしがすっかり上機嫌になったところでザルツブルクに着き、とりあえずホテルを目指す。
ホテルは観光スポットである旧市街にあり、そこまで徒歩20分あまり。荷物をごろごろ引っ張って歩くことにした。
ペニーさん、いい季節に来たねえ?
ザルツブルクはゲルマン民族の土地だけあって街がすみずみまで清潔。歩いていて気持ちがいい。
川を渡るあたりが旧市街(世界遺産)で、道幅がぐっと狭くなる。
路地には、あちこちにちょっとした「仕掛け」があり、ザルツブルク歩きの楽しみになんだけど、それは次回にゆずっておくとして。
ホテルはゴルトガッセ通りというクルマの入れない狭い路地にあった。
Small Luxury Hotel Goldgasse ホテル・ゴルトガッセは14世紀の建物を利用した宿。2階の受け付けでは陽気で大声のおっかさんが対応してくれたので、とりあえずこのひとを女将(おかみ)と呼んでおく。
女将の英語は達者で(発音にクセあるが)コミュニケーションには困らない。
それでは早速お部屋にごあんなーい。
むかしから演劇が盛んだった土地柄ゆえかミュージカル?の舞台写真が壁にドーン!
快適に滞在できるようしっかりリノベーションしてある一方で、わざとペンキを塗らなかった柱など、古い時代の構造をあちこちに見ることができる。
そういや登ってきた階段もえらい渋かった。
中世の素朴なつくりの上に近世の石畳を重ねたような?時代の変遷が感じられる。ここを何人のひとが行き交ったんやろ。
で、この宿では不思議な現象を体験した。
ペニーの散歩のため階段を降りていくたび女将がすいっと現れ、「あらー、ちびちゃんお散歩なのねー」と声をかけ、玄関扉を開けてくれたりする。
2回目までは偶然だと思っていたが、3回目4回目と重なるにつれ、もしかしてこのひと受付けに陣取って館内カメラをモニターしてるんじゃないかと思うようになった。
嫌な感じがするとかではなく、それほどしっかり目を配ってるんだったら防犯上も安心していられるなみたいな。ここは女将の城なのだ。
夜はレストランとして営業している朝食会場は、家庭的で気の休まる空間。
朝食はレビューでも評判がいい。まずは搾りたての生ジュースが幸せにしてくれる。
そのあと料理がアフタヌーンティーみたいな盛り付けで出てきて面白かった。
ゲルマン圏とあって過剰な塩分を警戒していたところ、オーストリアの世界的な観光地を舐めたらあきまへんなあ、どれも穏やかでリッチな味わい。この朝食、レビューで高評価を獲得している。
わたしたちはセルフサービスの朝食が好きで、それは美味しそうなものをちょこまか集めてこられるからなんだが、ここのようにシットダウンでも内容がよければOK。タマゴ料理は注文をとりにきます。
そんなわけでホテル・ゴルトガッセ、お勧めでございます。
写真によれば屋上が快適なテラスになっていて、そこからは街を取り囲む山々が見えたりして気持ちよさそう。次回泊まったら利用してみたい。
さてザルツブルクといえば音楽の都。忌野清志郎モーツァルトが生まれ育った街、世界有数の音楽祭がおこなわれる街として知られるわけだが、わたしたちのようなぽっと出の観光客であっても手軽にレベルの高い音楽に触れることができる。
ほかの土地じゃあちょっとあり得ねえなという驚きのコンサートについてはまたの機会に。
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