Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

届かなかった「親切」

ぽかぽかと温かく風もない午後、公園には何か月ぶりかで子供連れの姿。

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とはいえ世間を吹く風が誰にも優しいわけではなく、野菜を買い足すためスーパーへ行く道すがら、歩道の端に座り込んだホームレスの女性を見かけた。

以前に出会ったのとは別のひと。あのときの彼女とは数日後ふたたび出会い、チョコクロワッサンとアップルパイと飲料水を渡すことができたのだが、今回もそれでいこうと思った。

スーパーでチキン&チーズのサンドイッチとサラダと買い込み、女性のところへ戻る。

「オナカ、スイテマスカ?」

そう尋ねられた女性は、一瞬複雑な表情を浮かべてからゆっくり首を横に振った。

「サンドイッチ、ドウデスカ?」

袋から取り出して見せながら一押ししても、彼女は手を出さない。

「サラダハ?」

今は空腹でなくとも次の食事に困るんじゃないか。

だが彼女は怖くて手を出せないのかもしれない。もしかして過去に傷んだ食べもの、妙なものが混入した悪意の食べものを口に入れて苦労したことがあるのかも?

この国にホームレスいじめがどれくらいあるのか知らないが、最悪の想像をしながら胸に込み上げるものがあった。

しかしここで引っ込む拙者ではない。

ごそごそと袋をさぐり、紙パックのオレンジジュースを取り出して見せ、彼女がにっこり笑うのを見て、ミックスジュースも渡す。

「チョコレート、ドウ?」

キャラメル入りのカロリー高そうなやつを選んでおいたので、役立ててくれれば嬉しい。

いろいろ押しつけてくる不審なおっさんの相手は疲れるだろうから、5ユーロ札を手渡して退散。サンドイッチとサラダは差し上げる用に買ったやつなので私の好みではなかったが、うちで消費した。

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女性ホームレスにばかり手厚いと思われるかもしれないが、実際その傾向はある。

だって男のひとに寄付しても酒とタバコ(ベルギーでは800~900円)に消えることが多くてシンパシー湧きにくく、「喫煙飲酒やめてから来い」とか言いたくなるんだよね正気なとこ。

女性にもそういうひとはいるが、ちょっと見てるとそのあたりがどうなのかわかるっちゃわかるし、何より身の危険という点で男性よりはるかにしんどい立場でもあり、そういう観点からわたしなりに行動している。

えらそうな言い方になっちゃったけど。

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