納豆づくりをバージョンアップした。
発酵段階でかかっていたちょっとした手間を完全に省く方式を採用。
ここではアメリカで爆発的な人気をほこる調理器インスタントポットを使うが、納豆づくりはがんらい特殊な道具を必要とせず、どちらの台所でも可能なので、興味ある方には参考にしていただきたい。
① 大豆をふやかす
大豆を必要に応じて洗浄(製品によって清潔度はまちまち)してから水にひたし、一晩置く。かなり水を吸うので、水量は豆の深さの2倍ぐらいに。
今回は大豆400グラムを使用。以前の方式では発酵過程にヨーグルトメーカーを使っていたが、これだと納豆容器のサイズに制限があり、200グラム程度が限界だった。
インスタントポットであれば400グラムどころかもっと大量に作ることができるはず(まだ試してないけど)。
② 大豆を蒸す
納豆は、大豆を煮て作ることもできるが、一般的には蒸すのがベターと言われている。
インスタントポット付属のスチーマーラックなどの高さまで水(湯)を満たし、その上に大豆を入れたストレーナーや蒸し器を置く。High Pressure を選択。
蒸し時間の目安は大豆200グラムに対して30分(+15分蒸らし)、大豆400グラムに対して50分(+20分蒸らし)だが、適正な蒸し時間は使用する豆しだいで変わるため、ここは試行錯誤するしかない。
この蒸し工程は、インスタントポット以外の加圧鍋(電気式)でも似たようなものなので、大豆100グラムとか少量で試してみてちょ。
わたしは煮た経験がないが、普通の鍋で中火40分とかそれくらいらしい。
③ 器具の殺菌
このあと使う器具(計量カップ、かき混ぜ用の豆腐すくい/オタマ、納豆容器)を熱湯やアルコールで殺菌しておく。雑菌が入るとアンモニアが発生するなどして失敗する。
④ 納豆菌の投入
蒸しあがった大豆の柔らかさをチェック(ヤケドすんなよ!)。指で軽くつまんだだけでむにゅーっと潰れるならOK。まだ硬いと思ったら追加で蒸す。
ここで納豆菌の水溶液をつくる(納豆菌がなければ、手持ちの納豆でもOK=後述)。
これまでわたしは大豆200グラムに対して納豆菌「耳かき一杯」を入れてきたが、400グラムとかだったら二杯あってもいいかも。
菌を20~30ccほどの水(ぬるま湯でも熱湯でも可)に溶いておく。
蒸しあがった大豆をストレーナーからインスタントポットに投入し、そこに納豆菌溶液を振りかける。
オタマや豆腐すくいなどで混ぜる。なるべく豆を傷つけないよう優しく。
納豆菌は「よく動く」と言われるので、あまり神経質にかき混ぜなくていいかも。このあたりも経験でつかむしかないね。
ちなみに納豆菌は摂氏100℃でも死なないほど強いので、この作業は大豆がアツアツのときにやってしまって大丈夫。逆に、すっかり冷えてしまうと納豆菌が活動しなくなるので、それなりに段取りよく。
納豆菌が入手できず既存の納豆を使うばあい、大豆200グラムに対してなら納豆パックの4分の一、400グラムに対しては半分でどうでしょう。それを茹で上がった大豆に混ぜる手順は同じ。
⑤ 発酵
蒸発する水分が豆の上にぽたぽた落ちるのを防ぐため、インスタントポットに布巾をかける。布巾が厚いと蓋が閉まらないので、なるべく薄手のやつがよろしい。
適当な布巾がなければ、キッチンペーパーでもいいと思う。ペーパーはユルめにかけないと、蓋したとき破れてしまうので注意。
発酵には酸素の供給が必要なので、蓋の閉まり具合を緩める。
まず、内側のパッキンを外す。
加えて、スチームリリースハンドル(蒸気出口のキャップ)を外す。引き抜けば簡単に取れます。
インスタントポットに通常通り蓋をしたら、ヨーグルトモードを選択し、時間を24時間に設定してGO!大豆の質や納豆菌の元気さなどにより22時間程度で十分な場合もあり、これも試行錯誤ですね。
電気式の圧力鍋はあってもヨーグルトモードがない場合、別途ヨーグルトメーカーを使うひとが多い。納豆菌のはたらきが活発になる温度は37~45℃。たいていのヨーグルトメーカーは40℃前後をキープするので問題ないはず。(わたしのやつは50℃ほどになってしまい、熱を逃がす細工が必要でめんどくさかった。インスタントポットは事前テストしたところ40~42℃をキープした)。
⑥ 熟成
24時間後のお姿。白い納豆菌がしっかり行き渡っている。
これを適当な容器に入れ、冷蔵庫で少なくとも一晩かけて熟成。熟成期間は一晩説から1週間説までいろいろあるが、すべては豆しだいだし、好みの問題なのでテキトーに。
今回の大豆400グラムはけっこうな量で、うちの消費スピードでは1週間以上かかるので、熟成後およそ半量を小分けにして冷凍することにした。
ガラス瓶ごとチン解凍するわけだが、ジップロックの小袋とかでもいいだろう。
蒸しと発酵にインスタントポットを使う初めての試み、まあまあうまくいったと思う。
ひと晩たってしっかり糸引くのを楽しんでいたら、納豆大好きのあの方が・・・
ネギやら香辛料やら入れたやつは与えられないので、わが家の納豆一番乗りはいつもペニーさん。旺盛な食いっぷりからして、どんぶり一杯差し上げてもあっという間に平らげるだろう。
生産者としても、インスタントポットのおかげで工程を単純化できたので、ばんばん作るの平気です。
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