土曜の朝、あそこまだやったなという話になって出発。1時間弱のドライブでベルギー第二の都市アントワープに着いた(オランダ語ではアントウェルペン)。
「フランダースの犬」の舞台として知られるだけあって、いきなりコレ。
不遇の少年ネロが人生の最後についに目にすることになるルーベンスの名作「キリストの昇架」を見学するため、聖母大聖堂に向かう。
なおヨーロッパは冬になると文化財の修復が一斉に始まり、こんな感じの風景になることが多い。
聖母大聖堂は、すべての人間を包み込むかのような名前とは裏腹に、しっかり入場料をとる観光寺院なのでお財布の用意を忘れずに。60歳以下のおとな8ユーロ(1000円ちょい)。ちなみに貧しいネロ少年はこの入場料が払えなくてルーベンスを見ることができていなかった。
大聖堂の内部は財政のゆとりをものがたるように手入れがよく、たいへん美しい。
それじゃさっそく「キリストの昇架」の見学に進みましょうか。
うわ、でかい。
だが、大きいという以外の驚きや感動はわたしにはなかった。
ドラマチックな力作には違いないんだろうけど、自分の目には普通の絵にしか見えない。これとは別に「キリストの降架」というルーベンス作品もあったが、それもまあ普通だったな。
一番よかったのは「聖母被昇天」で、これには気持ちを入れることができた。
ここまで妻と意見が完全に一致し、似た者夫婦であることが確認できた。
だたしどの作品も、照明の当て方がまずく反射で見えにくいところがあったのが残念。それなりの入場料とってるんだから頑張ってよ・・・
とぶつぶつ言いながらだったが、この教会には不思議な見どころが多かった。
アーティスティックな像が多いだけでなく、アートそのまんまな展示も。
これはキリストの「いばらの冠」だろうな。
キリスト教インスパイアードの芸術作品アトリエ的な機能もあるようで、そこのところは新鮮でおもしろい。
これなんか実物は今にも動きそうでドキドキさせられました。
突然あらわれた階段を下りると・・・
そこにあったのは昔むかしの墓。レンガ造りの棺が置かれていた。
中世には、亡くなった聖職者を教会の地下に葬ることが珍しくなかったという。ずらりと並んだ棺が、墓地の過密化をものがたている(後世に改葬されたもよう)。
個人的な好みによりルーベンスは微妙だったが、印象にのこった聖母大聖堂。
アントワープ旧市街の魅力、美味しかったもの、素晴らしい宿はあらためてご紹介。
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