ブリュッセルを歩いていると、午後4時59分にシャッターを下ろす店舗やオフィスを目にすることがある。
シャッターを4時59分に下ろすのと5時に下ろすのとでは、時計のうえでは1分の差しかないが、意味は大きく違うような気がする。
「5時」は、そこまでが勤務時間と考える従業員。
「4時59分」は、5時になった瞬間に職場を離脱するつもりの従業員。
リクツのうえでは、5時を過ぎたら後片付けの義務もなしというわけで、このリクツが労働者としてのかれらを様々なかたちで守っているのだろう。
日本人からすると5時でもスゴイわけだが、ベルギー人は割り切れててうらやましいね。
この件、とてもわかりやすい数字にも表れている。
働き方の点でススんでいるヨーロッパのうちでも、ベルギーは週の労働時間の上限を38時間と定めており、これはEU加盟国中で最短。
日本だって法定の労働時間は40時間だけど、ベルギーのすごいところは38時間がけっこうしっかり守られていること。
妻の職場の現地スタッフは、アメリカ人がどんだけ忙しくしてようが残業してようがお構いなしで定時にさっさと消えるという。
金曜の午後なんて誰もいませーん状態らしい。
これって楽園じゃね?
もうひとつベルギーが楽園かもしれない件は、毎日歩く公園で目にすることができる。
平日の朝から芝生に溜まってる男たち。
ほぼ間違いなくビール持参で盛り上がり、ここで一日の大半を過ごしている。
服装などからしてホームレスとは見えず、おそらく失業者。
社会保障の手厚いベルギーでは、ホームレスにまで転落するリスクが少なく、安心してビールを飲んでいられるのだろう。
どんだけ飲んでるかっていうと・・・
公園のあちこちに(立派なゴミ箱とは別に)ビニール袋がぶら下げてあり、紳士の皆さんが空き缶をぽいぽい投げ込んでいくから、一日の終わりにはだいたい満杯になっている。
飲みすぎたらゆっくり休憩してから帰りましょう。
仕事はないけどビール代があるのなら、家にひとりでいたり家族の手前居づらかったりしているよりは、公園で仲間と盛り上がるのがいいに決まっている。
地上の楽園ベルギー。
いえ半分くらい冗談です。
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