わたくし本日、携帯電話を失くしました。
朝、ペニーとの散歩に出るとき肌寒さ(気温12度)を考えてフリースジャケットを着用し、ポケットにスマホを入れていったところ、ファスナーの締め方が甘かったらしく、どこかでポロリしちゃった。
悪いことは重なるもので、散歩ちゅう何度か写真を撮りそうになったのを「まいっか」と取りやめて歩き続け、珍しく一枚も撮ることなく帰宅。
そのせいで紛失に気づくまで時間がかかり、散歩コースをたどる捜索にも時間がかかり、状況は悪化する一方だった。
ところでスマホには(少なくとも iPhone には)行方不明の端末の位置を知らせてくれるシステムがあるのだが、端末側のアプリ設定がまずかったのか、いっこうに位置がわからない。
そのうえわたしは、ひとつの大失敗をおかしていた。パスコードを有効にしていなかったのだ。
スマホを使うたび入力するパスコードがあれば悪用やプライバシー流出を防げるが、ダッカで外出することが滅多になかったわたしは、家の中にいて一日に500万回もパスコード入力するのが嫌でONにしていなかった。
毎日少なくとも3回は散歩している現在、パスコードは必須だった。
パスコードによる保護なしにスマホを失くしたとき、わたしたちはふたつのコースを選ぶことができる。
1)悪用防止のため iPhone のデータを完全に消去
2)善意のひとが拾ってくれることを期待して待つ
第1コースを選ぶと、端末とわたしを結びつける材料がなくなるため、もどってくるチャンスは事実上ゼロ。
10万円ちかくもする端末をそう簡単にあきらめられないわたしは、とりあえず第2コースを選択。悪用被害を最小限にするため、メールなどのパスワードを次々に変更しながら吉報を待った。
とはいってもさ、アメリカでものを失くしたらほぼ絶望だよね?
ましてやそれがスマホの人気機種だったりしたら、紛失の1時間後には現金に変わってるイメージ。
せめてパスコード有効にしてたらなぁ・・・
妻からのちびしい指摘にうなずきながら深く溜息。
この3時間、妻はたびたび私の番号をコールしていたが、呼び出し音すら鳴らない。
朝持ち出したときバッテリー死にかけだったから・・・とまたひとつ溜息をついたとき、電話が突然つながった。
応答したのは警察官。スマホの落とし物が届けられ、ちょうど手に取ったところだったという。
実は端末には「これを拾った方、〇〇番へお電話ください!」というメッセージが出るようにしてあったが、日本語表記にしかならず、拾い主さんもお巡りさんも「???」だったらしい。
どちらの警察署へ伺えばいいですかと尋ねたら、今おたくの近くにいるから届けるよと気軽なもんで、数分後ほんとに来てくれた。日本ではちょっと考えらないカジュアルで現実的な対応。
拾い主さんにお礼をいう方法はありますかと尋ねたら、「ケータイ番号はもらってるけど教えるわけにもいかないからねえ、でも〇〇通りに住んでるひとだから・・・」と微妙な情報はもらえた。
だいたいどこらあたりまで行って大声で叫べば拾い主さんに謝意がとどくかわかったぞみたいな。なので今回は心のなかでしっかりお礼を言わせていただいた。
それと、リモート研修の真っ最中にこの騒動に巻き込まれながらも、iPhone 探しを全力でサポートしてくれた妻に感謝。実際彼女のほうが役に立ってたし。
ともあれ8割がたあきらめていた iPhone がもどってきてよかった。
なんで2割の希望を持っていたのかというと、ここらはお金持ちが多いから。
だったらペニーの散歩コースはさぞかし高級な住宅街かと思われるかもしれないが、それがそうでもないのが現代アメリカの奇ッ怪なるところ。
それについては別の奇怪(リアルに変換ミスった)機会に。
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