Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ 現在ダッカから米国へ移動中

さよなら、野良犬たち

ダッカを去る日が近づくにつれ、路上のふとした風景が目に残りやすい。

野犬の姿がそのひとつ。 

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この子は、これまでどれだけの子犬を生んできたのかと思う体型をしており、見た目が変わらないオスとちがって逞しく生きていることがよく伝わってくる。

ただしこの子は人間がかなり苦手なようで、怯えた仕草と慎重な距離の取り方が痛々しい。ひどく苛められたことがあるのだろう。

ダッカには野犬が多く、徒党を組んでたむろしており、散歩中の飼い犬に「どこのもんじゃワリャ」と迫ってくることが珍しくないから、飼い主やドッグウォーカーたちは必ずといっていいほど棍棒を持ち歩いている。

なかにはひとに向かってくる姿勢を見せる野犬もおり、そういう緊張関係のなかでさっきの子は人間から痛い目にあわされたことがあるのかもしれない。

 【追記】当地の野犬がみな人間から苛められているわけではなく、むしろ街のひとびとから食べ物をもらったりしながら緩やかに飼われている状態といってよく、その様子に心が温まる。ただし、ときに「衝突」が起きるというわけだ。

 

わたしが生まれ育った地方都市では、たしか昭和40年代の前半までは野犬がいて、だれそれが噛まれたとか狂犬病が心配とかいう話がときおり耳に入ってきた。

行政が本気を出して「駆除」したことであっという間に姿を消したが、今の感覚でいえばかなりむごいことをしたに違いない。人間は今よりずっと野蛮だった。

時代は変わり、発展途上国であっても、むやみに野犬を殺すのではなく、捕獲して不妊手術という人道的なやりかたが広まっており、バングラデシュでもそういう試みがされていると聞く。

 

わたしたちはダッカで野犬を見かけるたび「可愛いねえ」とか「可哀そうやねえ」と言い交わし、できるならすべての野犬を救ってあげたいと思ってきた。

とはいえここはムスリム国家。イヌは不浄なものであり愛玩の対象ではないから、ドッグレスキューという概念は成り立ちにくい。

せめて一頭でもと、妻の職場の門前にたむろする野犬のなかから性格の穏やかそうな若い子をひろってきて飼っている同僚がいる。

ただしバングラデシュのイヌは番犬向きの気の荒い子が多く、飼うのが難しいという話をよく聞く。

あるひとが飼った子は、気は荒くないのだが室内で暮らすという環境変化にうまく適応できず極度の精神不安定におちいり、最後には飼育を断念せざるをえなかった。

わたしたちも、たった2年ではなくもっと長期にここに暮らすのであれば、バングラデシュのイヌたちのためにできることがあったかもしれず、そのことがうっすらとした心残り。

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歩道で丸くなっているわんこに「おい、元気で暮らせよ」と声をかけたら、ひょいと顔を上げた。

わたしの手に食べ物がないことを確認して、すぐにまた丸くなった。

 

同じ野良犬あがりでもペニーはどうやら幸せな飼い犬になれたようで、極寒のバーモントであいかわらず楽しくやっている。

最新の動画では、けっこうワイルドなお声を拝聴することができる。

【音が出ます】

 

ペニーは小さな体のなかに大きなワンコが棲んでいて、自分とグレースとは同格だと思っているが、黒ラブのポリーには完全に目下扱いされており、その関係性のちがいが遊び方によく表れている。

ところで心配がひとつある。

わたしたちは日本経由で3月あたまにアメリカへ戻るのだが、CさんがいつバーモントからワシントンDCへ戻ってくるのかを知らない。

あそこはCさんにとっての天国だから、リモートワークが続けられるかぎり戻ってこようとはしないだろう。

かといってペニーを返してほしいから戻ってこいともいえず、もっしかするとペニーにはなかなか会えないかもしれない。

コロナ時代はわからんことばかり。

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