Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

夫婦喧嘩と森のうさぎ

超ケンカした。

妻もわたしも頭に完全に血がのぼり、狭いわが家に怒りの空気が充満した。

誰かがマッチを擦ったらドッカーンとなるほどに。

そうなった理由は、互いがかかえるストレスだ。

職場のクズ野郎。

アパートレンタル業者の出鱈目な仕事ぶりのせいで約束と違う大金が引き落とされ、戻ってこないこと。

コロナによる混乱のせいで日本行きのスケジュールが一向に固まらないこと。

実家の修理の工事予定が決まらないこと。

それに関連した身内とのやりとりに疲れ果てたこと。

妻は持病の片頭痛が悪化し、毎日辛そうにしている。

私は夜中に目覚めて眠れなくなることが増え、昼間に頭がぼーっとすることが多い。

こんな状況下、日本行きの予定決めをめぐって大衝突。

わたしが口にした悪辣なひとことが妻を激高させ、それに誠実な対応ができなかったことでわたしは深い墓穴を掘った。

それから3時間あまり、別々の時間をすごしながら怯えまくった。

これはもう愛想をつかされたな、終わったな・・・

今さらひとりになって、どこで何をして生きていくのか。

目の前がリアルに暗くなるようだった。

結局どうなったのかといえば、普通に仲良くしてマス。

いろいろあって互いに余裕がなくなっていたことを改めて自覚し、心にゆとりがもどるよう工夫しながら助け合っていこうということになった。

この世にはゼッタイに失ってはいかんものがあるのですね。

 

わが家の周囲で進行中の巨大な開発プロジェクトによって失われそうなものがある。

3月に退避してきて以来わたしたちの目を楽しませてくれた森が消えようとしている。

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この森は、樹種ゆたかで地形に起伏があることから、おそらく原生林と思われる。

新緑の芽吹きから盛夏を経て、紅葉、落葉へと移り変わりを楽しませてくれた。

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渡り鳥をふくむ野鳥が多く、色鮮やかな赤い羽や、華麗そのものの鳴き声を楽しむことができた

地上には小動物も住んでいる。

ウサギを見たという人がいて、私たちにはチャンスがなかったが、今朝ついに会うことができた。 

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スマホカメラの悲しさでアップが撮れなかったが、中央の少し上に茶色の耳がひとそろい見えているのがわかるだろうか。

朝、冷気のなかで体を温めるため、歩道ちかくの日向へ出てきたのだろう。

だがこのウサギもまもなくここを追われることになる。 

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森に突き入れるようにして工事用の通路が作られ始めた。いずれは森のすべてか大半が伐採されるだろう。

小動物たちに移住先はあるのか。

周囲にそこそこの緑はあるが、森と呼べるほどのところまでは500メートルほどの距離があり、そこへたどりつくまでには4~6車線の道路をいくつか越えていく必要がある。

イヌだったらレスキューのしようもあるが、こういう場合はどうなのだろう。

ウサギたちのことを思えば、わが身のストレスだのなんだのは屁のようなもので。

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