モーレツな風の朝だった。
ペニーの落とし物を始末しようと取り出した袋が吹き飛ばされ、あっという間に遠ざかっていく。
慌てて後を追ったが、袋はスピードを増して車道に飛び出し、行き交うクルマの向こうへ消えていった。
普段だったらプラスチックんゴミば増やしちゃいけん!と執念深く追跡するところ、今回はここで諦めた。
この袋、バイオディグレーダブル(生分解性)のプラスチックで、そのうち消えてしまうはずだからだ。
あと、ダンプに引かれたくないってのもありで。
取り出した2枚目も飛ばされそうになりながら風の強さを実感していたとき思い出したのは、たしかマリー・アントワネットが残した「風が吹けば眼医者がもうかる」という言葉。
この日、ペニーの目に異変があった。
膝元にじゃれてきた彼女の目を見た妻が、「なんかある」と言い出した。
その半透明な異物をしばらく観察したが正体がわからず、溶けかかった目やに?みたいな話になり、経過観察することになった。
午後になってわたしはこの件を忘れていたのだが、妻はしつこくペニーの目をチェックしており、やがてこう言った。
「濡らしたティッシュ持ってきてくれる?」
ペニーを膝の上に抱いて動きを封じ、まぶたを引っ張って強制開眼。
濡れてぷるんとしたティッシュでそっと拭ってみたら・・・
こんなん取れましたー、プラスチック系の繊維。
いつどこで入ったのかわからないが、ペニーは目がごろごろして不快だったろう。
大過なく除去できた様子でよかったよかった。
というか、わたしは途中で獣医に見てもらおうかなどと言い出していたのだが、妻は指先にいい感触があったようで、少し息を整えてから濡れティッシュをすっと引き、ゴミを釣り上げた。
ペニーさんのくりくり目玉を拡大すると、すぐに取ってあげなくてごめんねごめんねーといっている私が映っているんだけどわかるかなー。
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。