ある記事は「大接戦」といい、別の記事は「カマラ・ハリス失速」と伝え、いうまでもなく蓋を開けるまでわからない米大統領選。
これについて考えるたび吐き気がするのでクヨクヨ思い悩まないようにしているのだが、具体的にとても心配なことがある。
とてもヤバイ話だ。
トランプの公約のなかには、政府の要職に取り立てる人物のセキュリティ・クリアランスの廃止というのがある。
連邦政府のすべての職員は、就職にあたり反社会的・反アメリカ的なものを抱えていないかどうかをチェックするセキュリティ・クリアランス(以下、SC)を受けている。なかでも外交に携わる者は、機密情報を敵対勢力に渡したりしない人物であることを証明せねばならず、SCに半年から1年かかることが珍しくない。配偶者も調査対象。わたしも家族・職歴・交友・資産などについて徹底的に調べられた。
妻のようなペーペーの末端役人ですらそうだというのに、トランプはすごいことを言い出した。高いランク(上は大臣、下は大臣補佐官や部長クラス)をトランプが任命する場合は、SCを廃止するというのだ。
自分に忠誠を誓い、道具として使いやすい人物を政府中枢にぶっこみたいトランプ。だが考えてもみてほしい。トランプのお友達なんてかなり怪しい人物 ―― 裏でロシアとつながっているような ―― だらけに違いない。
トランプが大統領になれば、外交・安全保障・経済などあらゆる分野でアメリカの利益を損ねる動きが水面下で進行するようになるだろう。アメリカが伝統的な「正義」を失い、トランプの意味不明なドクトリンに従ってぐらつきだしたら、中露イラン北朝鮮をはじめとするならず者が策動を強め、世界はガタガタになるだろう。
アメリカファーストを謳うトランプが自国の損になることをするかって?残念ながらトランプはアメリカなんてどうでもいい。アメリカ国民の幸せなんてどうでもいい。トランプは、世界を掻きまわして混乱させ、そのただなかに屹立する「偉大な自分」を確認したいだけのチンケな俗物。セキュリティ・クリアランスの廃止は、トランプの歪んだ野望を達成させるための秘策といっていい。
トランプが二期目を迎えたなら、アメリカ政府は土台から腐り始め、外交や経済は思わぬ方向へと向かい、ならず者の跳梁跋扈が本格化するだろう。日本も、今はまだ誰も思いつかない災難に苦しむことになるだろう。
ってくらい悲観的にしておけば、これから起きるかもしれない数々の不幸に心を病みきることなく、なんとかやっていけるかもしれない。いやほんと皆さん、トランプを舐めてはいけないと思うよ。
庭師Tさんから、弾むような言葉で息子さん誕生の知らせがあった。
この子は高い確率で22世紀を見ることになるだろう。それまで21世紀はこの子たちにとってどんな世界になるのか。アメリカ人の愚かな選択のせいで悲惨な時代になるのであれば、それはあまりにも悲しい。
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。